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季節モノ置場
HappyMerryXmaseve!

(クリスマスイブ限定公開だった小咄)

※幼少双子と島のクリスマスイブ



『おやすみなさい。』

そう言って別れた自宅前。
寒空の下、「また明日っ」と言って母親とつながれたのとは逆の手を振ってくれた、隣家のあの子。
もう今頃は、サンタが来るのを夢見て寝ているだろうか。

仕事で留守にしている親は、今日はもう帰ってくることはないだろう。
立ち上げた会社はうまく軌道に乗り、それを何とか維持するために毎日働いている両親は俺たちの誇りだ。
クリスマスに親がいないのは少しばかり寂しいが、我慢できなくはない。
何故なら隣家が一緒に祝ってくれる。
暖かい部屋、美味しい料理、そして何よりも大切なあの子の笑顔。

何にも代えがたい幸せだ。

未だに少し興奮気味で、ベットに入ったものの寝付けない俺がごろりと寝がえりをうつと、隣で寝ていた片割れも同時に寝がえりをうった。
小さな声で、片割れに声をかける。

「明日、プレゼントやろうな。」
「うん。島、喜ぶかな。」
「喜ぶといいな。」
「笑ってくれるといいな。」

布団の中で密やかにささやき合う。
未だ小学生。そんなに多くない小遣いを使って、プレゼントを買った。
自分たちのお金でプレゼントを買うのは、初めてだ。
親にもプレゼントなんて買ったこと無いのだが、そんな親不孝な俺たちをどうか許して欲しい。
俺たちの一番は、いつだってあの子なのだ。
あの子が喜ぶように。あの子が笑ってくれるなら。
それが俺たちの行動指標。
今までも、そしてこれからも。

「なんて言うかな」
「なんて言うかな」
「・・・抱きついてくれたりして」
「・・・そしたら離さないのに」

想像して、ちょっと顔がにやけた。
なんだか、邪な方向に思考が向かってきたぞ。
いかんいかん。
我慢、我慢。


早くあの子の喜ぶ顔が見たいから。


『おやすみ。』


サッサと寝て、朝にワープするとしよう。




双子がぐっすりと眠りについたあと。
かちゃりと微かにドアを開ける音が響き、その部屋に小さな人影が滑り込んできたことを、すっかり熟睡していた双子は知らない。


HappyMerryXmaseve!


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