番外編 二人の食卓−@ ※100000hit+二ヶ月記念。 二章と三章の間くらいの話になります。 東山と島の変化。 「ひ、東山・・・あのさ、その、」 「・・・・・・・。」 やあやあ皆様こんにちわ。 貴方の誰かのみんなのアイドル市ヶ谷島です。これ、キャッチコピーにしようかな。 貴方のお口の恋人、市ヶ谷島です。は、ちょっと刺激的すぎるもんな。 今現在、やっとこさあのアザレ拉致事件の事故処理も終わり、なんとか僕らも日常に戻れたところです。 犯人達の処遇については、僕、ぶっちゃけ知らないんですけどね。 兄ちゃんズに全部任せちゃったからさ。 まぁ、春兄が爽やかな笑顔で「大丈夫だから俺たちに任せて。」って言ってたし、まぁ悪いようにはなってないでしょ。 その後、彼らの姿を見た者はいない・・・的な展開にはなってない、と思う。 ・・・まぁ、僕はあれから彼らを見てないですけどね。 ま、まぁ、先輩だったしね!たぶん、生活空間が違うだけだよね!うんうん! とまぁいつもの毎日に戻ったわけなんだけど、僕の生活にはちょっとした変化が。 ぶっちゃけ、東山との関係なんですけど、ね。 なーんか、東山の雰囲気が変わってきたというか・・・。 そうそう、東山、最近授業に出るようになった。 前は、全然出てなかったんだけど。 学校の授業が簡単すぎてつまらないとか、お前なんでこの学校いるの。 僕は、小一時間説教したくなったよ全く! こちとら、成績維持するのに必死だっつーのに!もう! うちのガッコ、出欠席はあまり関係なくって、学期末のテストさえ切り抜ければ単位は貰える。 だから、授業サボる人も少なくない、らしい。 東山もそんなサポタージュ組だったわけなんですが、何をどうしたんだか。 ちょっとずつ、学校に顔見せるようになって。 まぁ、雰囲気もちょっと変わってきたんじゃないかっていうのが、もっぱらの評判。 それでもまだ、周りは遠巻きなんだけど。 まぁ、眼付悪いし態度の悪さも変わってないからなぁ・・・。 でも、いい傾向なんじゃないかなぁ。なんてね。 なーんて他人事のように話しているのは、一種の現実逃避なんですけどね。ハハハ。 今現在、なぜか僕、東山に腹を見せてひっくり返されてます。 わー降参だー。お父さんの負けだよハハハ。 って違ー!!! 「腹出せ」 「もう出ちゃってますけど。」 「・・・痣見せろっつってんだよ」 ギリ・・・と音が聞こえるのではないかというくらい、強く睨まれ、僕は思わず両手を上げた。 両手を上げるのは、降参の印だぜ。 しかも腹出してひっくりかえってるとか、もうどうにでもしてーって感じだよね、もう。 両手を上げたことによって服がめくれ、例の痣が眼下に現れた。 前に比べて、だいぶ色は薄くなってきていると思う。 押すと痛むけど、普通に過ごしてる分にはもうまったく痛みは感じない。 だから。 「もう、平気だと思うんだけどなぁ・・・」 「・・・・・。」 頭を上げて痣を見ながら呟くものの、東山は全く聞いている様子もなく、いつもの通り傷薬と湿布を準備し始めた。 僕は小さくため息をついて、背後のソファに頭を預けた。 あの日からずっと、東山は僕の痣の手当てをしてくれている。 正直自分でできなくない場所だし、他人に腹を触られるのは正直こそばゆいので、やめたい僕なのだけれども。 けど、いくら僕が遠まわしに「もういい」と言っても、東山はこの習慣をやめようとしない。 その様子が、なんとも必死・・・・・・と言っても、表面上にその様子がでているわけじゃないんだけどさ。 僕がやめたいというたびに、ものすごい睨みつけてきたり、舌打ちしたり、無視したり。 なんとかして、この習慣を続けているように思えるんだよ。 それが、なんでかなんてわからない。 けれど、まぁ、東山がしたいならさせてあげようかなぁ、と思い続けて、うっかり今日になりました。 ねえ、東山。 もう・・・もういいんじゃないかなぁ・・・!! [次へ#] [戻る] |