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番外編
@-4

「いいのか?」
「何が?」
「あんな面倒なこと、引き受けて。」

人気が若干減った食堂で、僕は先輩におごってもらった杏仁豆腐を口いっぱい頬張っていた。
美味い!美味すぎる!ってどっかの銘菓のCMであった気が・・・

「面倒なこと?」
「だーかーら、写真だよ写真!」
「ああ、アレ。」

バン、と一実が強めに机を叩きながら、僕ににじり寄る。

「別にいいよー、あげるんじゃなくて、売るんだし。それに写真の売買は、元々やるつもりだったし。」
「は?」
「ちなみにアザレのは、すでになうおんせーる」
「・・・・・お前、それ大丈夫なのか」

まぁ、普通は大丈夫じゃないだろうな。
校内で写真の売買なんて、怒られちゃうもんねー。
しかし、その辺も手回し済みである。
えらいぜ、僕。できる男って呼んでくれていいよ。
僕はまた一口、杏仁を頬張りつつ頷いた。

「生徒会と風紀には、承諾得済み。」
「・・・いつの間に」
「まぁ、向こうも東山の同室が特待って決まった時点で、こうなることが分かってたみたいよ。結構あっさり許可出してくれたし。むしろ『よくそんなこと思いついたな』って褒められた。」

生徒会長なんてそんなやんごとなき身分の方には会えないので、僕が会ったのは会計の人だったけどね。
ちなみに風紀は、委員長が会ってくれた。
もめ事は少ない方がいい、って言ってくれたさ。
いやはやどっちも同じくらいいい男でした。
会計先輩の方は爽やか好青年、風紀委員長はちょっと危険な香りがする、でも後輩に好かれる感じの、ヤッパリかっこいい人なんだよね。

「レアな写真を供給すれば、僕を害するファンはいなくなるでしょ。写真の供給がストップすれば、困るのは自分たちだし。生徒会に売上の3割渡すし、まぁいいバイトと思えばねー」
「・・・写真のことは、わかった。けど、」
「・・・?」
「あの噂、知ってたのか。」

ああ、僕が美味しいどこどりしてるってやつか。

「いや、知らんかったよ。」
「悔しくないのか。」
「いや別に。だって、まぁそんなに間違ってないしー。なーんて、」
「違うだろ!!!」

突然大声で叫んだ一実に、僕の体は大きく震えた。
うおぉ。だから僕、大きな音はダメだっていってるでしょーが、一実さん。


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あきゅろす。
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