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2−11


僕は、アザレ親衛隊の皆さんと別れた後、部屋に戻って夕飯の支度を始めた。
とは言っても、今日は昨日の残りものメインなんだけどねー。

基本的に、朝・夕飯は自炊にしている。
学食じゃ金が勿体ないっていうのもあるけど(夕飯ものだと、安いので2500円からとかありえん)、僕が料理好きっていうのもある。
やらないと、腕鈍るし。
あと朝は、ギリギリまで寝たいんだよ。朝が、死ぬほど弱いんです。
あんまり食い物に興味がないせいか、面倒で朝も夕も抜かすときもあるしなぁ。
自分で作ると、量とか時間の調節ができるのがいい。
まぁそんな諸々の理由により、自炊まがいなことをしているんですな。



僕は冷蔵庫を覗きつつ、首を傾げた。

「おかしい。ないな。」

昨日作って、食べ切れずに残った肉じゃがを、タッパーに入れて冷蔵庫に突っ込んどいたはずなんだけど。
タッパーがどっこを探してもないぞー。

「どこいった、タッパーやーい。」

と、ゴソゴソ頭半分冷蔵庫に入らせつつ、食材を書き分けていた僕は、背後の気配に気付くのが遅れた。

「オイ」
「うわぁっ!!!」
「っ、」

突然背後から聞こえてきた重低音に、比喩なく飛び上がる。
勢いよく振り返り、その勢いのまま冷蔵庫に背中を突っ込んだ。
その僕の驚きように、背後にいた東山もびくりと肩を震わせた。
その姿を確認して、僕は、ほっと息をついた。

「…なんだ東山かぁ。お帰りー。」
「……。」

胸を撫で下ろして息をついた僕を、東山は無言で見下ろしてきた。
おお?いつもは目線をこっちに向けるだけで、無言で部屋に入るのに。
どうしたんだろ。

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