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4-22

小さく、はぁ、とため息をつくと、向かいのソファに座る早苗さんがクスリと笑い、革張りの高そうなソファに座る黒さんの膝の上に座る・・・えぇい!ややこしいな!まぁ、つまり僕。の足元に懐くように、床に座り込んでいる銀が、首をかしげて見上げてきた。

早苗さんはどうやって黒さんと交渉したのかは知らないが、当然のようにここまで同行。
しかしさすがは青のナンバー2。別チームのホームに単身乗り込んできても、この余裕とは。
タバコふかしながら、ブランデー片手って、ホント早苗さんいくつよ。
しかしながらつまりは僕のお目付け役なんだろうけども、ほんと申し訳ないなぁ。
僕が無茶するのにつきあわさせてしまった。
このお礼はいつか体で。
まぁ、早苗さんは優しくしてくれそうだから、なんでもOKです。

そんでもって、高そうなふわふわのカーペットが引いてあるとはいえども、やっぱり床に座るのはいかがなものかと思うよ、銀くん。
だけども、どうやら銀はこのチームではペット扱いで、床に直座りが基本らしい。
確かに犬っぽいけど、それはどうなの!
そういうこと普通にやっちゃうあたりが、非人道的って言われるチームのカラー感じちゃうわよね!あー怖!

そんなことを思いながら、なんとなくいい位置にあった銀の頭をゆっくりとなでると、嬉しそうに頭を擦り寄せてくる。
そんな銀を見て、ふと思い出したことがあった。

「ねぇ、銀」
「なにっ?なにっ?」

黒さんが目の前の活字を読み終わるまでは、暇なので、ちょっとした暇つぶしの会話だ。

「さっき倉庫で、銀が乗ってたバイク運転してたのって、新人さん?」
「・・・・・・なんで。」

なぜだか急に銀の目が座り、声のトーンが下がる。
あらら、仲が悪いのかしら。

「いや、なんかすごい無謀な運転してたからさぁ」
「むぼう?」
「黒さんたちに、あんな勢いよくバイクごと急接近するなんてさぁ、ちょっと間違えれば、敵意を抱いてると勘違いされそうじゃんか」
「てきい」

あ、この顔は、分かってない顔だな?
僕は、首をひねって言いなおす。

「俺は敵だぞー、お前をやっつけるぞーって気持ちのことね。」
「あぁ!うんとね、うちの中で一番上手なの。バイク乗るの。だから、いいの。」
「へぇー、すごいんだ。」
「・・・・う、」

このチームで一番とは、そりゃすごい。
感嘆の声を出すと、銀がまたもや眉をひそめる。
むぐむぐと口をもごつかせ、なんだか納得がいかない様子だ。
お前が言ったんじゃないか、一番だって!なのに、なんだその態度!



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あきゅろす。
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