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2-2

先日、下半身も暴れん坊将軍な東山は、そりゃもう可愛い先輩(当たり前だけど男。かわいくても男。)を部屋に連れ込んでいた。
いやはや、防音設備万歳って感じだよね。
防音設備万歳なのに、なんで僕が東山の下半身事情を知っているかと言えば。

鉢合わせちゃったんだなコレが。

そりゃもう、見事に。
たまたま飲み物が欲しくて、夜キッチンでゴソゴソやってたら、なまめかしい雰囲気を漂わせながら東山の部屋出てきた二人とHACHIAWASE☆
二人の雰囲気は完全に、アレでしたアレ。

The事後。

二人とも上気した顔して、先輩はちょっとふらついたりしてね。
僕に気がついた東山は、驚いたのか少しだけ目を瞬き。

そして、馬鹿にするように口を歪めて嗤った。

完全に上から目線の、嘲笑ってヤツだったねアレは。
経験少なそうな僕が、動揺するとでも思ったんだろうけどね。
確かにね!確かに経験は少ないですけどね!
どうせ経験値不足ですよ!
そんな風に僕が心で大騒ぎしていることは、表情に出ていないはずだ。
なぜなら、鼻で笑うような東山の笑みが。


あっという間に崩れていったから。


次いで浮かんだのは、怒りと、戸惑いと……あれは多分、傷つき?
ほんの一瞬だったけれど、確かに見えた色。
ふふん、空気読める男を舐めんなよ?


東山のその表情で、僕にはなんとなく東山という人間が見えてしまった。
東山の表情が崩れた理由は多分、僕の東山へ向けた視線のせいだ。

何の感情も乗せていない眼差し。

無関心で、興味を浮かべず、照れも、嘲りさえも、僕は浮かべなかった。
だって、東山の下半身事情なんて、どうでもいいしね!
これが一実だったら、違う。
キャー!お母さん、あんたをそんな子に育てたつもりはありません!本気のお付き合いなのっ!親御さんには挨拶したのああうちの息子がお世話にっていうか息子の息子g以下略
ってな感じになるさ。
えぇそりゃもう、心で大騒ぎってもんよ。
友達の下半身事情とか、知りたいような知りたくないような、はにかみつつ告白大会っていうか、照れるっていうか……
まぁそんな感じのもんでしょ?

でも東山は違う。

僕になんらかの影響を与える存在には、成り得ていないんだから。
だからの無関心ですよー一点張りの視線だったし、っていうか向こうもそういう反応するんだろなと思ってた。
なーのーにー。

東山の複雑な色を燈した瞳は、一瞬の瞬きで消えてしまった。
けれどその一瞬で、僕の東山に対するイメージはガラリと変わってしまったのだ。


だって、無関心な目が嫌ってことは、関心が欲しいってことじゃないか。


完全に周りとの関係を切りたい、ってわけじゃないのかな。
なんだろう、欲しいものを欲しいって言えないって言うか。
それが欲しいってことも気がついてない?
そんな、イメージが浮かんだ。
考えてみれば、外でいくらでもその場限りの女が漁れそうな容姿をしてるくせに学園内の男子相手にしてるのも変な話だし、なんだかんだで今のところ僕を殴り飛ばしたりしない。
噂によれば、気に入らなければなんでもかんでも大暴れ、って感じだったんだけど。


うーん、なんだか気になってしまった。
僕の悪い癖だ。

一度気になると、結構しつこいんだよねぇ。僕。

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あきゅろす。
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