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2-1

高校生活が始まって、3週間。
そろそろ4月も終わり、ちょっとずつ日差しが強くなってきています今日この頃。
僕的には、結構平和にやっています。
・・・やってるつもりなんだけどなー。


嬉しいことに、一実とは見事クラスメートとなり、なんだかんだと毎日一緒にいる。
僕がうっかり話を聞いてなかったりすると一実がフォローしてくれ、僕の苦手とする数学のわからないところは家庭教師してくれたり。
逆に、クラス委員長に選ばれてしまった一実のフォローを僕がしたり、国語を教えてあげたり。
余談だけど、特待でクラス委員に選ばれるのって珍しいらしい。
まぁこの学校、なにかと人気票がものを言うからなぁ。
しかしながらまったくもって運がいいことに、僕たちのクラスは割合特待が多く、他のクラスより断然特待の扱いがイイのである。
一実の整った容姿が一役買った、っていうのもあるとは思うけどね。

まぁそんなこんなで、なんだか上手い具合に、お互いを補えていい感じです。
僕、中心になって何かやるのは苦手なんだけど、影でこそこそやる補佐的役割は結構好きなんだ。

中心で動く一実に、その横でちょこちょこ動いてる僕。
みたいな図を、クラスに定着させるべく日々暗躍中です。
やっぱ、クラスでの位置って重要だと思うわけよ。
特に、同室に大きな障害を抱える僕としては、ね。


同室の東山とも、まぁまぁ上手くいってます。
一実いわく「あれのどこがだよ。」らしいんだけど。
東山とはお互い無干渉、無関心。
相手を見えないものとして、扱っております。はい。

東山は、どうやら中等部からの問題児らしく。
同室になったという話しをすると、羨望と同情の眼差しを同時に向けられ、非常に複雑な心境を味わってしまった。
こんな心持ち、知りたくなかったぜ。
あんな、飛び抜けた容姿をしているもんだから、ファンも多い。
が、ちょっと機嫌が悪いと殴る蹴るの暴力沙汰を起こす暴れん坊なもんだから、ファンの人も中々近付けないのが現状らしい。

機嫌が悪いと手がつけられないとか、お前は小学生か!

と、思わず僕は、小さい半ズボンを履いた東山を想像して、小さく吹いてしまった。
東山の恐ろしさを、身振り手ぶりで話してくれていたクラスメートにその姿を見られ、胡乱な眼差しを向けられた。

「日吉…市ヶ谷はいつもこうなのか」
「…僕に聞かないでくれ」
「なんというか、見かけによらないよな」
「大物なのか、馬鹿なのか」

とか、ハイそこぼそぼそ煩いよー!
僕だってちゃんと色々考えながら行動してますよ、もちろん。
あぁいうタイプは行動パターンわかりやすいんだよ、逆に。




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あきゅろす。
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