ああ悲しき人生かな(笑)
転入〜早速こんな展開!?〜
「うへえぇぇ……」
車を降りてからの第一声はそれだった。
慌ただしかった昨日。
また泣き出した僕を見て炯さんは「けっ」と言って雪さん(今朝教えてもらった)を連れて部屋を出ていっちゃって、僕も疲れてるだろうってゆう炯士さんの配慮で昨日は何もしないですぐ床についた。
僕に割り当てられた部屋は絶対家政婦に使わせるような部屋じゃないと思う。
だってタンスがあって本棚があって押し入れがあって机があって、オマケに小さい冷蔵庫にテレビ・エアコンつき。
それでも未だ、大の男が10人近く寝れるスペースがある。
正直なところ、広すぎて落ち着かないんだけど、置いてもらってる身としてそんなことは言えないし……。
まあ何だかんだで朝になって、僕をお越しにきてくれた真沙さんと既に起きてた炯さんと一緒に学校にきた。
そして冒頭に戻る、と。
目の前に広がるのは学校。
いや、最早学校とは言えないかも知れない。
だって目の前にある建物はすっごく広く、窓ガラスは割られてありところどころガムテープで補強してある。
んでもって壁にはイラストレーターにでもなった方がいいんじゃない?
って言いたいくらい個性がある上手い、スプレーで描かれた絵。
数本転がってるバットに釘が刺さってるのは僕の目が作り出す幻影だろうか。
「こっ、ここが…」
「はい、これから美月様が通われる学園、因幡之(イナバノ)学園でございます」
因幡之学園、それは都内でも有名な学園である。
なんでも極道やヤクザの跡取りが沢山いるらしく、有名な不良なんかもいるらしい。
でも一種の跡取りたちがいく学園なだけあって、学園も生徒も金持ちらしい。
「それでは行ってらっしゃいませ。炯様、美月様。」
「あぁ」
「は、はいぃ…」
真沙さんが深々と御辞儀をして僕たちを見送るのを背に、炯さんの後についていく。
僕、生きて帰れるかな……。
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