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風邪な君に、

「風邪?」

キョトン、とつい聞き返してしまった。
黒子っちに会おうと教室へ来たまでは良かった。しかし、当の本人が居ない。近くに居た子に聞いたら、今日は風邪で休みらしい。

答えてくれた子にお礼を言い、教室を後にした。




(風邪…)

熱は高いのだろうか。
苦しくないだろうか。
今何をしているのだろうか。

自然と風邪で寝込んでいるであろう黒子っちの事を考えてしまって。

(――心配っス――)

とりあえずメールしてみよう。
そう思い、授業中だがこっそり携帯を取り出す。


【風邪の調子、どうっスか?】


体調不良の彼を思い、短めの文で送ることにした。




そして、長い授業もようやく半分が過ぎ、やっと昼休みである。
携帯を取り出し、メールを確認する。
――あった。すぐにメールを開く。

【大丈夫です。】

短いけれど、黒子っちらしくて少し頬が緩んだ。
メールもできない程悪くはないらしい。黒子っち自身も大丈夫だと言っている。しかし、心配ではある。

今日の放課後は1秒でも早く黒子っちのお見舞いに行こう。
そう心に決め、長い午後の時間を過ごすのだった。




(心配なのは本当っスけど、)(本音は俺が君に会いたくて、)(――あぁ、早く君に会いたい)






20120520.水輝



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