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スパカリ
最近、カリファにコーヒーを淹れてもらう機会が増えた気がする。
仕事が一段落ついたところで彼女を電伝虫で呼び出す。


「なぁ、コーヒーいれてくれ」

「セクハラです」

「頼んだだけで!?」

仕方ありませんね、と溜め息混じりに言うものの彼女は実に丁寧にコーヒーをいれてくれた。

「どうぞ」

ことり、とカップを置くと彼女はいつものように部屋を出ようとした。
でも、すぐに彼女が帰ってしまうのがなんだか勿体ない気がした。

「あー……おい、カリファ」

「はい。何でしょうか長官」

お前って、呼べば、いつだって来てくれるよな

「それが仕事ですから」

「うん。そうだよな…うん…」

「一体なんですか、長官」

「あーああ、あのさ、何で紅茶派なの?コーヒーのがうめぇじゃん」

「紅茶が好きだからです」

突然なんですか、意味が分かりません。

彼女は眼鏡を持ち上げて、あの鋭い目でオレを睨んできた。

「いや…あとさあとさ、あの…」

私からもひとつ宜しいでしょうか。

彼女の凛とした声がオレの言葉を遮った。

「何故最近、給仕ではなく、わざわざ私にコーヒーをいれさせるのでしょうか」
嗚呼、彼女の鋭い目は、きっといろんなものを見抜いてきたのだ。

「ヴァァカ!!知るか。何となくだ」

いい加減バレたのだろうかと思うと今更に気恥ずかしくなった。

「そうですか」

でしたら失礼します。

素っ気なく言うと、ヒールを響かせて彼女は行ってしまった。

どうしよう。
今日こそは彼女と

いつものように、オレは頭を抱え始めた。

タイトル

「どうしたカリファ、えらいご機嫌じゃの」

「フン、どうせ長官だろう」

「なんだ、チューでもしたのか!?ギャハハ」

「無礼者!」


20100511


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