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真夏の葛藤《Lagi》
"学校に戻る前に会えないかな?"


暑い夏の長期休暇の最中、いつものようにじっちゃんの手伝いをしていた時だった。

ひらひらと涼しげに青い羽の蝶が俺の肩に止まる。パピヨンメサージュ、中身は当然あいつから。

間の悪いことにじっちゃんに中身を見られてしまい、俺は今こうしてルルの故郷に来ている。








「…おまえなぁ、いい加減にしてくれよ。まじで」


迎えに現れたこいつは、もちろんいつもの制服ではなく夏らしい格好をしていた。

…太ももまであらわなショートパンツに、ぴったりとしたピンクのタンクトップの上に透けるような薄い上着。

夏だし、暑いのはわかる。

その格好がかわいいのも、まぁ…認める。

だからこそ、そんな無防備な格好をしてほしくないと思うのは男の勝手な言い分なのだろうか。


「えっ…ご、ごめんなさい。せっかくラギもお家に帰ってたんだもんね」

「いや、べつにそれはいい。そうじゃなくて、その…お前のさ、その格好…」


勘違いしてうなだれるルルに、さすがに開口一番に言うことじゃなかったと反省しながら俺は訂正した。


「格好?なんか変かな?」

「いや、別に変じゃねーけど」

「えへへ、よく考えたらちゃんとした私服で会うの初めてだよね。なんだかラギもいつもと雰囲気が違って、その…かっこ、いいよ」

「は?…お、お前…そういうことよく平気で言えんな…!!」


へらへらと能天気に笑うルルに俺はというと、なんて言っていいかわからずに戸惑ってしまう。


「と、とにかく…あんまりそーゆー格好すんな。慎みをもて」

「え?…やっぱり変ってこと?」

「だから、そうじゃなくて…くそっ!!」


ルルはいつまでたっても俺の言いたいことを気づかないうえ、さっきから通りすがる男たちがこいつをジロジロ見ているのが気に障る。

こっちはいろいろしたいのを我慢してるってのに、勝手に俺のものを変な目で見ているのに耐えられる訳がない。

俺はルルの腕をつかんで人目につかない場所に引っ張り込んだ。


「ラギ?…どうし、んんっ!!…や、急に…ん、ふぁ…」

「…そんな格好してるとこういうことしたくなんだよ、男ってのは。だから…俺以外のやつに見せてんじゃねーよ、バカ」


意味がわかっているのかいないのか、真っ赤になって抵抗するこいつを壁にきつく押し付けて、もう一度深く口付ける。


「本当に馬鹿だな、お前。そうやって抵抗されるほうが燃えんだぜ…?」


もうとまんねーからな。


耳元でそうささやいてから、俺は無防備な獲物をゆっくりと味わうことにした。



そういう格好、できねーようにしてやるよ


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