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俺だけの場所《Lagi》

暖かな日差しの中、私は山登りをしていた。

もう何度も登っているけれど、やっぱり一人でこの山に登るのは寂しいし大変だと思う。

でも、その空気が徐々に変わり、小鳥や獣の気配も消えて彼の静謐な空気が私を包みこむようになればあと少し。










私の大切なヒトまで――












「ピギャー!!」


いつもの場所にたどりつけば出迎えたのはチビ。ラギのところに私を近づけまいと小さな炎を吐きながら立ちふさがってくる。


「こんちには、チビ。そんなに怒らなくてもいいじゃない、仲良くしましょ?」


いつまでも彼女(ラギは笑うけど、絶対にチビは女の子だわ)とけんかばかりじゃ駄目だと考えて、今日は仲良くしようと思っていたのだ。


「えへへ、いい子にしてね?」


笑いかけながら変身してしまったラギを抱くようにチビを抱こうと、腕を広げて徐々にチビに近づいていく。


「ピキュ?」


いつもと違う私の様子にチビは首を傾け、身にまとう炎も小さく抑えてその場にとどまっている。


「つかまえたっ!!」


「ピギャ!?ギュー!!」


私はラギの支配下のチビが私を傷つけることはないだろうと、思いっきりチビを抱きしめた。

思った通りチビの炎が私を傷つけることはない。


「こらこら、チビ!!暴れないのっ」


暴れるチビの身体は意外にもやわらかく、爬虫類みたいだったら嫌かも…

という私の考えは杞憂に終わった。


「うわぁ…可愛いっ!!うんうん、ラギよりちょっとスマートだし…」


「ピキュー…」


チビは首もとからお腹にかけて撫でられるのが好きらしく、目を閉じてうっとりし始めた。

…ラギはこんなふうに触らせてくれないからすごく可愛い。

思わずチビをぎゅっと抱いて頬擦りをした時だった。














「おいチビ…てめーさっきからルルに甘えすぎだ!!さっさと離れろ!!」


さっきまでドラゴンの姿で日向ぼっこをしていたラギは、いつの間にか人の姿で私の横に立っていて…

いきなり不機嫌な声と共に私の腕の中のチビをむんずとつかんで取り上げ、すぐにその大きな剣に納めてしまった。


「ラ…ラギ?急にどうしたの?」


「…別に、なんでもねーよ」


ラギはそのままごろんと私の膝を枕にして寝ころんでしまう。こんなふうに甘えてくるなんてめずらしい。


「…お前さ、来たんなら俺に一声くらいかけろよ」


相変わらず不機嫌そうなラギに困ってしまう。私が来たことなんてラギにはすぐにわかるはずなのに。


「うん、ごめんね?でも今日はチビと仲良くなったの!!」


「…仲良く…か……いい」


「…ラギ?なんて言ったの?」


ぼそっと呟いた言葉を聞き返すとラギは顔を染めながら身体を起こした。


「仲良くなんかしなくていいって言ったんだよ!!この間も言っただろ、お前には慎みってやつが全然たりねー!!チビなんて抱いてんじゃねーよ!!」


ラギは一息に怒鳴った後


ぎゅっと私を抱きしめた









  お前が抱くのは俺だけでいい



























その後のラギについては言うまでもなく…

私は恥ずかしがるラギを腕に抱いて寮へと帰るのであった






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あきゅろす。
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