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今度は甘く 《Alvaro》

「ぁ…ちょ、ちょっと待って!!」


「だーめ。待たない…言ったよね?」


両肩を壁に押し付けられてうつむく私に、下からすくうような触れるだけの優しいキス。

唇が離れた感触に目を開けると、悪戯に目を細めるキレイな顔が至近距離で私の瞳を覗きこんでいて…

目があった途端、今度は噛みつくような深い――


――キス



「ぅん…はっ、んん…」


いつの間にか上を向かされ、離れて重なる、舌を絡めるキスに唇の隙間からは濡れた音と酸素を求める私の吐息がもれた。

頭のなかはぼうっとする。

最近になって触れるだけのキスに慣れたばかりの私には、彼が押し付けてくる快感から逃げる方法なんてない。


「…キスだけで感じ過ぎじゃない?」


銀糸を紡ぎ、今度こそ離れた唇には彼がくれた薄ピンクのグロスが移っていた。


「あぁ…やっぱりお前にはこっちの方が似合う」


彼はあざやかに彩られた指先でわざとらしくゆっくりと唇をぬぐい、艶やか過ぎる笑みを浮かべながら舌でその指をぺろりと舐めた。

そんな彼のペースに乗せられないように、私は彼の目を真っ直ぐに捕らえて反論した。


「か…感じてなんかないわ!!」


そんな私を待っていたのは――










 

ふわりという浮遊感と

耳元で囁かれる甘い声














「そう?…今日はここまでって思ってたんだけど。頑張ってもらおうか。ルルが立てなくなるまで、責任持って…ね?」



    Kiss...





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あきゅろす。
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