color
busy after school
放課後は静かに学校で過ごすのが好き。
家に帰りたくないわけじゃないし学校が好きなわけでもないけど。
busy after school
放課後はいつも大抵一人で過ごしている。さやかはバレー部に所属しているため、帰宅部のあたしは放課後は時間を持て余していた。
この学校の図書室は広くて、大体の書籍がそろっている。だから放課後は図書室で本を借りて、教室で読んだり中庭で読んだりしている。
図書室で読むのも悪くないんだけど、なんだか静かにしなきゃいけない雰囲気があるから気が進まない。
今日もそんな感じで、中庭でのんびりしていた。
「あっ!!ゆうなちゃん久しぶり〜」
本から声のする方に視線を向けると、この前の男の子だった。
「ジローくん…だったかな??久しぶりだね」
彼が柔らかい笑顔を見せるから、自然と会話できる。
ただ周りに女の人がいないと言うこともあってだけど。
「何してたの〜」
「天気もいいから読書だよ??…あっ!!これ余りだけどよかったら」
「!!これブラウニじゃん♪うれC〜」
今日はたまたま作りすぎちゃって、持って帰ろうと思ってんだけどね。
「なんか眠くなってきたC〜」
と言ってあたしの座ってたベンチの横に座ったと思ったら、膝枕をする形で寝始めた。
「ちょっとジローくん!!」
「……zzz」
ね…ちゃってる??
ジロー君は揺すっても起きないし、放っておくわけにもいかないし……!
まぁ時間あるしいいや。
それにしても寝顔可愛いなぁ。
「くそくそジローめ!!どこ行きやがったんだよ」
「岳人。あいつならここら辺におるやろ」
近づいて来る男の人の声。
「あっ!!ジロー発見」
「ほんまや。女の子の膝枕って何やっとんねんほんま。代わってほしいわ」
「侑士の変態。あの女の子は…ゆうなじゃねぇか」
おーいと手を振ってくれる岳人くん。
ちなみにがっくんとは、亮くんと遊んでいた昔からの友達で、偶然にも最近廊下で見つかり、あのころと変わらず接してくれたこと。
「何や岳人。知り合いやったんやなぁ」
「それよりも侑士こいつどうする??」
寝息をたてているジローくん。
「ほんましゃあないな」
と言いながら、携帯で誰かに電話をかけている。
「がっくんもテニス部だったね」
「あったり前!!宍戸もいるぜ??」
あどけない笑顔は昔から変わらない。
「岳人。すぐ来るって言うてたで。それよりも堪忍な?よかったらアドレス交換……「おい」」
電話を切り終えた侑士くんという人がグイグイ来るので、ちょっと…いや大分引いていたら後ろから助け舟を出してくれた。
[*前へ]
無料HPエムペ!