小説という名の日記C(栞機能無し)
3
何故か翌日も司が図書室に来た。
晶の隣に座って、晶に話し掛けてくる。
用があるのかと思えば、世間話程度の話題でしかない。
晶と仲良くなりたいんだよ。
英からのメールを思い出す。
まさかとは思うが、司も変わり者なんだろうか。
何故話し掛けてきたのか問う晶に、仲良くなりたいからと司が答える。
やっぱり英の言うとおりだった。
変わり者が此処にも居た。
英、聞いてくれる?
早速その夜にメールを送る。
暫くして受信を告げる青い色が光る。
どうした?
晶の話ならどんな事でも聞くから言ってみな。
英の予想が大当たり。
司も変わり者だった。
ってことは仲良くなりたいって言われたってことか。
良かったな、人見知り克服のチャンスだ。
英は俺が他の人と仲良くしててもいいの?
晶が誰かと仲良くしてくれるのは嬉しい。
それだけ晶の世界が広がるってことだろ?
そっかあ、英がそう言うなら。
人見知りを克服してみるよ。
今日も最後は「おやすみ」と「また明日」で締め括られていて。
明日があるんだとはしゃぎたくなるのを我慢して。
「おやすみ」と「また明日」を晶も送った。
英からの「おやすみ」は、晶を心地良い眠りへ誘ってくれる。
慢性的な睡眠不足に陥っていた身体が、深い眠りに就いて。
夢も見ないくらい熟睡した。
あれから司は毎日図書室に来て、晶に話し掛けてくる。
仲良くなりたいと言ったのは司だけど、司と話す度に晶も楽しくて。
人見知りを克服すると言うよりも、司に対しては人見知りをする期間もないといった感じだった。
何時か晶の家に遊びに行きたいな。
冗談なのか本気なのか。
取り敢えず冗談ということにしておこう。
その内に、と軽く受け流すと、司が唇を尖らせ拗ねている。
その子供みたいな仕草に、ふふと晶から笑いが零れた。
もっと仲良くなってから招待するよ。
宥めるように言えば、ぱあっと司の顔が明るくなって。
よし、頑張る。
拳を固めた司が気合いを入れていた。
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