[携帯モード] [URL送信]

小説という名の日記C(栞機能無し)
2

そんな晶の思いがきっと伝わった。
考えられるのはそれしかなくて。
震える指先でメールを開く。

きっと晶と仲良くなりたいんだよ。

目に飛び込んできた文は、さっき送ったメールの返事だった。



「久しぶり」も「元気だった?」もない。
数年振りにメールを返してくれたかと思えば、こんな何気ない文章。
時の流れを感じさせない文章。
それが如何にも英らしくて、晶の口許が微かに綻ぶ。

遠くに居る英。
会いたくても会えないくらい遠くに居る英。
メールで繋がっていられるのが幸せだったけど、何時も一方通行だった。
だけどこれは一方通行じゃない。
早速晶は文章を打って送信する。



俺と仲良くなっても楽しくないのに。

楽しいかどうかはその人が決めることだろ?
司って奴は晶と居て楽しかったんじゃないかな?

そうかなあ?
俺と居るのが楽しいなんて変わり者は英だけだと思うよ。

じゃあ司って奴も楽しいみたいだから、変わり者ってことだな。
今度晶から話し掛けてみろよ。

俺から?
英だったらいいけど、俺から話し掛けるのは苦手。

本当に晶は人見知りだな。
人見知りを克服するチャンスだと思って、司に話し掛けてみな。



数年振りに交わされるメールは、終始司のことだったけど。
最初は戸惑った一方通行じゃないメールも、次第に一方通行じゃないってことに嬉しさが込み上げてきて。
英からの返信がくる度に、晶はいそいそと文章を打って送信した。

最後は英からの「おやすみ」と「また明日」での締め括り。
英はまた明日晶とメールをしてくれるらしい。
トクトクと小さく音を立てる鼓動の中、晶も「おやすみ」と「また明日」を送った。



[*前へ][次へ#]

2/10ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!