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小説という名の日記C(栞機能無し)
3

従者と女性の付き合いは長くは続かなかった。
適当な付き合いに女性の方から去って行った。
短い付き合い。
従者の幸せな姿を見る事もなく終わった。

王子は再び女性を紹介した。
前回紹介した女性とは違うタイプの女性。
だが従者に紹介するのだから、十分に見定めてから紹介した。

その女性とも従者は付き合った。
だがまた直ぐに別れが切り出される。

従者が別れる度に王子は女性を紹介した。
紹介される度に従者はその女性と付き合う。
断る事も出来るのに、何時も紹介に応じる。
だがどの女性とも長く続かずに直ぐに別れた。



王子は胸中をひた隠し、粘り強く女性を紹介した。
誰かと寄り添う幸せな従者を見て、自分の想いを捨て去らなければ。
だが従者が別れる度に内心安堵する。
自分で紹介しておきながら、別れたと聞く度に内心では喜んでいた。

なかなか長続きしないな。
従者がまた別れたと聞いて、王子が声を掛けた。

またどなたか紹介してくださるのですか。
終ぞない従者からの女性に関しての問い掛け。
王子が頷けば、一瞬従者が顔を歪める。

楽しみにしておきます。
そう返した従者の顔は、もう歪んではいなかった。



それから暫くしてからだった。
従者の姿を見なくなった。
誰に問うても従者の所在を知らない。
城内の何処を探しても姿が見当たらない。
従者と入れ替わるように、別の者が新たに王子の下に付いた。
国王に王子の付き人になるように言われたという。

従者の姿を見なくなって七日。
毎日会っていた従者にこれだけの期間会わないというのは、如何にも不自然だった。

従者の行方を知る者があるとすれば。
その可能性のある人物はただ一人。
王子は国王の部屋に向かった。



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