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小説という名の日記C(栞機能無し)
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従者は子供の頃に王子に拾われた。
浮浪児だった従者を城へと連れ帰ったのは王子。
それからずっと、王子と従者は共に過ごしてきた。
小さな頃は友人として、成長するに連れ恋人として過ごすようになる。
だが従者としての位置は保ったままだった。
従者は王子に恩があった。

恋人になってからの二人は、互いに愛し愛された。
王子は従者だけ、従者は王子だけを愛した。
時には喧嘩もしたが、必ず仲直りをした。
他の誰かを愛するということは、二人にとって考えられなかった。



そんな二人の関係に国王が気付いた。
後継者である王子の恋愛。
世継ぎがなければならぬというのに、王子の愛した相手は男。
しかも王子の傍に何時も居る従者。

国王は対策を練った。
別れさせようとしても王子が別れようとしない。
怒鳴ろうが説得しようが、頑として別れに応じない。

それならば、と国王は考えた。
それならば別れざるを得ないようにすればいい。
別れなければならない状況を作ればいい。
考えたそれを、国王は早速実行に移した。



新たに作られた国の法律。
同性との恋愛を禁止する。
同性との恋愛が発見されたなら、何方か一人が死刑となる。
それは国全土に適用された。
国内ならば例外はなく、民への示しがつかぬとして、城内も身分を問わず適用となった。

国全土に適用したが、王とて無闇に民を減らしたくはない。
王子の為に作った法律。
王子以外への適用は、正直に言えば適用しなくともよかった。

だから法律に但し書きを付け加えた。
現に罪を行なっているところを発見、若しくはその直後を発見した場合に限る。



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