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小説という名の日記C(栞機能無し)
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竜樹は僕の親友だ。
そして竜樹には愛理という恋人がいる。
愛理と僕の家は隣にあり、僕にとっての愛理は幼馴染みで妹のようなものだ。
可愛くて素直な愛理。
だから愛理の告白を竜樹が受け入れた時、二人の交際を祝福した。

竜樹は自慢の親友だった。
優しい竜樹と付き合えて愛理も幸せだろう、そう思っていたのだけれど。
竜樹が愛理に見せる姿は暴君そのもので、お世辞にも優しいとは言えない。
彼女の笑顔を簡単に傷付けている。

それなのに僕には優しい。
笑顔で語り掛けてきて、僕が困っていると助けてくれる。
竜樹と僕の関係は昔から変わらない。
だから僕は複雑な気持ちになる。



竜樹の我が儘な振る舞いでも別れようとしない愛理は、竜樹の心を求めている。
どんな傍若無人な振る舞いをされても、竜樹に想いを寄せている。

妹同然の彼女の涙を見たくはない。
それは僕の本心だ。
複雑な感情はあるけれど、どれもこれも僕の本心だ。

だから一つの思いを込めて竜樹に伝える。
彼女の為だけに竜樹を諭す。
愛理にもう少し優しくしてあげてほしい。
彼女の気持ちも考えてあげてほしい。

竜樹が僕の言葉に分かったと頷くのは何時ものこと。
だけど愛理への振る舞いは全く変わらない。
僕には優しいのに、彼女である愛理には冷たい。



僕の親友は相変わらずだ。
愛理の前では暴君であり、僕の前では誠実になる。
竜樹の優しさは僕にだけ発揮される。

愛理の瞳が潤んでいる。
妹同然の彼女。
小さな頃から仲の良い幼馴染み。
だからだろうか、彼女の涙を見ていると僕も切なくなってくる。

幼い頃からしていたように、その華奢な身体を抱き締めて慰める。
幼い頃から愛理が泣く度に、僕はそうして彼女を励ましてきた。



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あきゅろす。
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