小説という名の日記@(栞機能無し)
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遥か昔、地球は緑で溢れていたと言う
遥か昔、地球は色々な動物が暮らしていたと言う
そして今
地球からもう直ぐ、人類が居なくなる
遥か昔起きた大規模な核戦争は、地球に半滅亡を齎した
そんな中、核戦争を生き延びた人類は幾つかのコロニーを作り、それらのコロニーを一つに纏めた連邦政府を樹立した
連邦政府は、放射能で汚染された地球を捨て、新たな住処として新惑星に旅立つ事を決めた
新惑星移住化計画は着々と進み、段階的に人類は新惑星へと移っていった
シンが生まれた頃にはもう、人類の殆どは地球を捨て、新しい惑星で暮らしていた
シンの住むコロニーは移住化計画の最後のグループ地区だった
汚染された大気は永い年月で徐々に浄化されたが、人類に見捨てられた大地は荒れ果てていた
幾ら大気が浄化され外で暮らす事が可能になっても、手も付けられない程荒れた地と受け入れ体制も整っており沢山の人間が住む豊かな新しい地とを比べれば、地球に残る人類が新しい惑星を選択するのも無理からぬ話だった
シンの住むコロニーの人間が移住すれば、地球に人類は事実上存在しなくなる
そして彼等が移住する日は一週間後に迫っていた
歴史の授業が行われている
昔、二百程の国があり、利権や宗教により戦争が起こった
地球という一つの星に幾つもの国を作ったのが間違いで、そんな過去の教訓を生かす為に出来たのが連邦政府だ
緑の大地や様々な動物は、愚かで古い人間達の犠牲になった
我々連邦政府の民は過去の過ちを繰り返してはいけない
繰り返し繰り返し聞かされる此の星の歴史
一週間後に迫った移住の準備の為、今日の午前中で授業自体が終了する
最後の授業は歴史で締め括られた
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