「トワ、明日付いて来て欲しいところがあるんだが」
培養液で育った胎児に「トワ」と名付けた
夢が何時か叶うといいね、永遠の幸せがあるといいね、と、まだ幼さが抜けたばかりの頃のアキの言葉
「永遠」からとった名前
名前の通り、永遠の幸せを目指すかのように真っ直ぐに逞しく育ってくれている
家事が壊滅的なサイの代わりに掃除・洗濯・炊事をこなす
居ない母親の事を知りたいだろうに、「もう少し大きくなったら必ず話す」とのサイの言葉を信じて、必要以上に聞いてこない
だから
「今でも愛してる」
「凄く大事な人だ」
と、話せる部分は話した
今、トワは理解出来る年齢になっている
そろそろ全てを話してもいい年齢
「分かった」
何処に行くともこれ以上言う気もないことを察しただろうトワの短い返事に、サイは頷いた