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小説という名の日記B(栞機能無し)
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「そしてあなたは老いているからという理由だけで、彼から交際も友達になる事すらも拒絶された。もしあなたが若ければ、少なくとも友達にはなれた筈」

それは全て事実で、何故それを男が知っているのかが分からない。
告白した場面を見られたのだろうか。
いや、あの時公園には子供連れの母親しか居なかった。
だから決して見られてなどない。

「別に信じようと信じまいと私は構いません。あなたは毎日夜空に向かい願っていました。私はその願いを聞いて、提案に来ただけです。単なる提案です。なのであなたが断ろうがどうでもいいのです」



男の言う意味の一つも理解出来なかった。
いや、理解出来ないのではない。
とても信じられないような内容で、頭が混乱していた。

毎夜泰造は夜空に向かい願っていた。
若くなりたいと。
陽也と同じ年齢になれたらと。
本当にそう心から願っていた。
泰造の心の中だけで祈っていたから、声には一切出してない。
だからそれは絶対に誰も知る筈がない。
だがこの男は、泰造の祈りを聞いたと言う。

この男は一体何者なんだ。
騙されまいと警戒していたのも忘れ、男の正体を訝しんだ。

「そうですね、この世の者ではない者とだけ言っておきましょうか」

口に出してない筈の問いに男が答えた。



心を読まれた気がした。
いや、それは気の所為ではない。

「この世の者でないなら何なんだ。あなたは今、そう思いましたね?何故口に出してないのに分かるのかとも思ってますね」

泰造の心をそのまま男が口にした。

「ですが私の正体などどうでもいいこと。とにかくこの薬を飲めば・・・、そうですね、あなたの場合だと学生くらいの肉体に若返る事ができます」

なんなら試してみますか?
そう言って男が再び懐から何かを取り出した。





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あきゅろす。
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