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小説という名の日記B(栞機能無し)
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陽也がこれでもかと思うほど目を見開き、泰造を凝視する。
だがその後、無言で俯いた。

心臓がどきどきしている。
返事を待つ間の緊張感が、絶え間なく押し寄せてくる。
断られるだろうと覚悟はしている。
一度しか話したことのない相手だ。
そう簡単に交際出来るとは思えない。

軈て陽也が気まずそうに口を開いた。

「ごめんなさい。お付き合いは出来ません」

それは予想の範囲内の答えだった。
だから気まずそうに謝る陽也に、気にしなくていいと笑い掛けてから提案をした。

「それでは先ずはお友達から始めて貰えませんか」



友達から始めなければ、何も始まらない。
友達になって互いを知れば、気持ちに変化が表れる可能性もある。
変化がなければそれは仕方のないことだが、先ずは始めてみなければ分からない。

「それは交際前提という意味ですよね?」

「そうなりますね。交際も視野に入れた友達としてという意味です。友達として付き合っていくうちに気持ちに変化がないとも限りません。変化があるとも限りません。何方にせよ先ずは俺を知って頂いてからだと思っています」





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