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小説という名の日記B(栞機能無し)
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食事を終え帰る途中のコンビニで飲み物を買う。
ファミレスと帰り掛けのコンビニ以外は、二人でゆっくり家の中で過ごした。

ずっと離れず一緒に居たのが良かったらしい。
何日か経つと父親の暴力的な面が薄れてきた。
けれどもいつまた不安定になるか分からない。
それでも無邪気な面が増えていく父親を見るのは嬉しかった。

一人にしないから。
ずっと一緒に居るから。
隙さえあれば繰り返し告げるこの言葉が、もしかしたら父親を安心させていたのかもしれなかった。

もう直ぐ夏休みが終わる。
だがもう父親を一人にする事はない。
言葉に嘘はなかった。



「父さん、何処か行きたいとこある?遠くは無理だけど」

近くに泊まりで出掛けようか。
海外だの他県だの遠くの希望は聞けないから、前以て付け加えておく。
安ホテルなら一泊くらい出来るだろう。

ユキとゆっくり温泉に浸かってみたい。
そう言われたけれど近場に温泉はない。

「もっと近くは?」

柚季が苦笑すれば、レンタカーを借りようと提案された。
けれどもそれは無理な話。
父親は疾うの昔に免許を失効している。

電車で行きたいな。
じゃあ彼処は?
あれやこれや言いながら語り合う。
そんな穏やかな時間が楽しくて、二人して終始笑顔を浮かべていた。

話し合った結果、結局近場のホテルに泊まることになった。
明日になれば父親はまた忘れているかもしれない。
それでも柚季は明日が楽しみだった。
父親に楽しいことだけを与えてあげたかった。


















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あきゅろす。
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