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小説という名の日記B(栞機能無し)
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昨日の所為か、陽も出ない朝早くから父親が起きた。
起きて。倖乃、起きて。
揺さぶられ目を開ければ、可愛いと囁かれ口付けられる。
外は未だ真っ暗で、半分寝惚けながらそれに応えた。

昨夜も抱いたばかりなのに性欲が尽きない。
これも神経の何処かがおかしくなったからなのか。
朝陽が昇ってからも、力尽きるまで何度も柚季の中に精を吐き出した。

お陰で制服に着替えた頃には完全に一時間目が始まっていた。
急いで父親の昼食を準備して家を出る。
昨日の今日で父親を一人にしていいものか迷ったが、満足した父親は再び眠りに就いていた。
この分では学校から帰ってくるまで起きないだろう。
そう判断した。



首にぐるりと出来た痣を隠す為に、襟を立てて過ごした。
顎を引いて喉も見られないようにした。

何て格好をしてるんだと陽一に言われたが、喉を痛めただけだと答えた。
複雑そうな顔をしながらも、それ以上追及してこない陽一が有り難かった。

お前には俺がついてるからな。
ただ一言そう言って他愛ない会話を始めた。



校門を抜けて直ぐに呼び止められた。

「根本柚季」

フルネームで呼び掛けてきたのは、全く見覚えのない女の子だった。
柚季と同じか柚季より少し年下の女の子は、柚季をきつく睨みつけていた。

誰?と陽一に問われたが、柚季にも分からない。
知らないと答えれば、彼女?と聞き直されたが彼女である筈もない。
柚季を睨み付けてくる女の子に全く心当たりがなかった。

「すみません。どちら様?」

彼女は柚季を見据えて言い放った。

「流石、あの女の息子。顔がそっくり」





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あきゅろす。
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