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小説という名の日記B(栞機能無し)
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この時期の長袖は暑い。
一年間長袖で過ごすのは、柚季の他にもちらほら居る。
けれども大抵が半袖だった。

裕隆に付けられた跡が散らばっているから、暑くても毎年半袖になれない。
仕方がないし諦めてもいるが、暑いのだけは身体に堪える。
特に無理を強いられた翌日は、暑さによる汗と冷や汗の両方が流れた。



体育がある日は特に辛い。
保健室に行こうかと思ったが、せっかく学校に来たのだからと、陽一と一緒に更衣室に向かった。

「昨日も寝坊したからそのままサボったってのかよ」

「まあね、俺、朝弱いし。意志薄弱だし」

「何でそんなにあっさり言うかなぁ」

「意志が弱いのって自慢になんない?」

「ばーか。なんねぇよ」



着いた更衣室で、いつものように肌を隠しながら体操服に着替えていく。

「いつも思うんだけどさ」

「何?」

「体育も長袖って暑くないか?しかも上下」

陽一の疑問は尤もで、時折繰り返される会話となっていた。
そしてそれに対する返事も決まっている。



「別に暑くはないよ」

「んな訳ないだろ?こんなに汗かいてんじゃん」

あっさりと返せば、陽一の手が顎の下に伸びてきた。
擽られそうな予感に身体を捻る。
だがそれがまずかった。

ヤバいと思った時には、既に陽一の指が首元に引っ掛かっていた。
直ぐにその指を退けたが、それはもう遅かった。

陽一が大きく目を見開いた後、言い難そうに口籠る。

「なんか今・・・」





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あきゅろす。
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