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小説という名の日記B(栞機能無し)
6


洗い物を終えてシャワーを浴びる。
これから後に何が待ってるか。
分かっていたから、時間を掛けて身体を洗う。

この後に待っていること。
これから行われる行為。

いつものことだ。
これくらいの事はなんて事はない。
裕隆が生きていく上で必要なこと。
裕隆には柚季しか居ない。
だからこれくらいの事はなんて事ない。



小学五年の終わりから、倖乃の代わりを務めてきた身体。

柚季の下半身には女にはないものがついているのに、裕隆にはそれが分からない。
分からないという言い方には語弊がある。
倖乃だと思い込んでいるのに、柚季の性器を見ても不思議に思わない。
裕隆に性器を触られると、倖乃の身体にも同じものがついていたかのような錯覚に陥る。

裕隆を受け入れる穴は一つしかないのに、それも裕隆にとっては不思議な事ではないらしい。
最初から一ヶ所を弄り、其処へ裕隆自身を突き挿れてきた。



最初は意味が分からず、泣き叫んでいた行為も、時が経つに連れ順応した。
柚季の感覚も裕隆同様におかしくなったのだろうか。
意味が分からなかった行為も、今では当たり前の出来事になっている。
裕隆本人も、裕隆との行為も、柚季にとっては当然あるべき日常。

裕隆は柚季が居ないと生きていけない。
倖乃の不倫が発覚するまでは、倖乃だけでなく息子にも愛情を注いでいた。
不倫が発覚してからも、倖乃への監視は厳しくなったが、息子には変わらぬ愛情を注いでいた。
柚季を息子だと理解していた頃、裕隆は精一杯家族を愛していた。

それがあるからこそ、柚季は現実を受け入れた。
現実が認められなくなった父親を支えていこう。
壊れてしまった父親を守っていこう。
父親を支えるのは自分しかいない。
父親を守るのは自分しかいない。
そうやって現実を受け入れた。





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