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小説という名の日記B(栞機能無し)
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気付けなかったこと?
訝しげに彼女が呟く。

「俺、何のかんの言っても、まだあいつのことが好きなんですよ。何年経ってもそれは変わらないんです」

「それが何よ」

「上手く言えないんですけど、ごちゃごちゃ考えるのはやめようと思ったんですよね」

「意味分かんない」

彼女の言葉に怜生も苦笑する。

「意味分かんないですよね。けど謝りたかっただけなんで。自己満だとでも思って、流して貰えれば」



それから二人は黙々と食事を口に運んだ。
最後の一口を食べ終えて、美圃が徐に口を開く。

「私の方こそごめんなさい。完全に八つ当たりしてたわ」

小さな謝罪は怜生の耳に届いた。
微笑みながら首を振る怜生に、彼女が静かに問うてきた。

「別れたその人とよりを戻す気はないの?やっぱり前言ってたあれが理由?」

嫌悪のない響き。
ただ真面目に問い掛ける口調。
だから怜生もはっきりと告げる。

「いいえ、もう逃げません。あいつと話します。まだ待っててくれるか分からないけど、俺の気持ちを話してぶつかってきます」

そう、と彼女が穏やかに微笑む。

仕事が終われば直ぐに電話しよう。
理壱の顔が浮かぶ。
いつまでも待ってると言った哀しげな笑顔。
待っていてくれると信じて席を立った。
















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あきゅろす。
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