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小説という名の日記B(栞機能無し)
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妹の旦那、私にとっては義弟になるわね。
妹は義弟のご両親と上手く行ってないの。
今までは義弟が庇ってたんだけど、義弟が病気になってからはもっと酷くなって。

「ご主人さんのご両親と仲が悪かったんですか?」

そうね、仲が悪いと言うより、一方的に責められてたっていう方が正しいかしら。
ご両親からは激しく責められ、庇ってくれる義弟は病で倒れ、そんな時にあなたと話をしてしまったのね。



其処で一旦彼女が口を噤んだ。
だがまた直ぐに怜生に語り掛けてくる。

「そうそう、あなた子供が産めないから恋人と分かれたんですって?子供の産めないあなたは家族にはなれないって言ったんでしょ?」

確かにそう言ったような気がする。
だが言いたかった事と少し違う気もする。
子供が産めないから家族にはなれないと言うより、同性であることが根本にある。
けれどもそれをこの女性に言ったとしても、この女性も怜生と同じ同性愛者だということ。



「妹は子供の産めない身体なのよ。それで散々義弟の両親に責められて、その度に義弟が庇ってきてたの。だからあなたのその言葉が妹には我慢ならなかったのね」

両親の為を思い、相手の為を思い、子供を理由に別れるのが健気で優しいなら、義弟と別れない妹は最低な人間になるのかって。
あなたが恋人と別れたのが他の理由なら良かったんだけど、情緒不安定なところに聞かされたもんだからかっとなっちゃったのね。
でもそれは妹の八つ当たりだから。
あなたには申し訳ないと思ってるの。
だから気を悪くしないでね。

彼女はそう言うとお辞儀をして、通夜の席へと戻っていった。














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あきゅろす。
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