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小説という名の日記B(栞機能無し)
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「あれから彼とは?」

「連絡してないよ」

「でもまだ好きなんでしょ」

「好きだよ。好きだから連絡しないんだ」

怜生の心には今もまだ理壱がいる。
理壱を忘れる事は出来ない。
それほどに惹かれた存在だった。

「何て言うか、健気よね。彼の為を思って身を引くなんて」

「俺はあいつの子供を産んでやれないからな。あいつの両親、しょっちゅうあいつに言ってたんだよ。結婚はまだなのかとか、早く孫の顔が見たいとか。やっぱりあいつには幸せになってもらいたいし」



別れは理壱の幸せを願って出した結論だった。
後悔はしてないと思う。
理壱の幸せの為なら後悔はしない。

「どんな事情?って聞いていいかしら」

美圃が話に割り込んできた。
それまで聞き役に徹していたから意外に思った。

「美圃さんは信用して大丈夫よ。何なら私が話そうか?」

園香の言葉に頷くと、怜生の代わりに事情を話し始める。



「という訳で須々木さんは彼の為に身を引いたの」

園香の説明が終わるまで、彼女は小さな相槌だけを打っていた。
話を聞き終えた美圃が怜生を見る。
好意的に感じられないのは気の所為だろうか。
信用が置けると園香が言っていたが、矢張り同性愛に偏見があるのだろうか。
身構えて彼女の話を待った。

「子供が産めないと一緒に居ちゃいけないの?彼の子供をご両親が望んでたら、産めないあなたは一緒に居ちゃいけないの?」

その問いに怜生はほっと肩の力を抜いた。
てっきり同性愛者を否定されるのかと思っていた。
けれどもそうじゃなかった。





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あきゅろす。
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