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小説という名の日記B(栞機能無し)
2

その自由な時間を、晶太は昴と過ごす。
昴は従者としての教育を受けているが、晶太と過ごす時間は対等だった。

千宙から主の交替の可能性を聞かされているとは言え、今は晶太が昴の主だ。
けれども自由な時間くらい友として過ごしてほしいと晶太に言われれば、昴もそれを叶えてやりたくなる。

好きにすればいいとの国王の許可も得ている為、二人は堂々と過ごすことが出来た。



二人がいつものように仲睦まじい時間を過ごしていた頃、国王のもとにはある連絡が届いていた。
裏の地球で暮らしている千宙からの連絡だった。

千宙は国王が最も信頼する人物である。
だから恒矢と共に裏の地球へ送った。
千宙ならば裏の地球で生活していても、王位継承者に相応しい教育をしてくれるだろう。

それほどに信頼する人物からの連絡。
それは国王が待ちに待った朗報だった。



恒矢の手の甲に痣が出現した。
その連絡は国王を喜ばせた。

矢張り自分の後を継ぐ者は、実の息子であってほしい。
常々そう思っていた。

だから晶太には物分かりのいい父親として接してきた。
過度の教育は施さなかった。

とうとう自分の血を受け継ぐ息子を、王子として傍に置ける。
早速息子を連れて戻るよう、千宙に告げた。



ただ一つ問題がある。
だがそれは既に国王の中では解決していた。
裏の地球から赤子を攫ってきた時から決めていた。

城の地下に作られた牢。
地下とは言えそれなりに設備は整っている。
ただ鍵が外から掛かり、中からは開ける事が出来ない。
小窓から話も出来るし、食事も受け取れる。
牢の外に出られない事を除けば、何不自由なく暮らしていける。

国王は其処へ晶太を幽閉する事にした。
そして恒矢が表の地球に戻ってくる直前、晶太は其処へ移された。





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