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小説という名の日記B(栞機能無し)
9

申し訳なくなった二人は、ウェイの頼みを断れなくなりました。
分かりました。タミルの家の管理をお願い致します。
後の事は僕達にお任せください。
タミルの為に有り難うございます。

二人の返事を聞き、ウェイは内心で嘲笑いました。
ですが絶対に表情には出しません。
あくまでも神妙に、尚且つ厳粛にその場を辞しました。

タミルに分け与える心算だった食料を、タミルの家に置いています。
それにマトウの家を去る時、以前ウェイが分け与えた食料の殆どをマトウが渡してくれました。
なので食料は当分困りません。
後は定期的に二人が持ってきてくれるでしょう。
これで食料の心配はなくなりました。



またもや忌々しい山を超えねばなりません。
息を切らしながら山を越えていきます。
矢張りウェイは悪態を吐きながら進みました。
山中で一泊しなくてはなりませんでしたが、幸いにも獣に襲われる事なく、無事にタミルの家に着きました。

一息吐いて休みます。
これからするべき事は決まっていました。
この土地の何処かにダイヤモンドがある筈です。
マトウとサライにあげたということは、まだまだ何処かにある筈です。
ウェイは大量のダイヤモンドを夢見ます。
大量のダイヤモンドを見付け金持ちになる日を夢見ます。
一息吐いた後、早速ダイヤモンドを探し始めました。



剥き出しの地面と転がる岩山に石塊。
ウェイは足下から少しずつ見ていきます。
見逃してはならないと慎重に見ていっているので、なかなか捗りません。
これは思った以上に時間が掛かりそうです。
目を凝らし手で触りじっくりと見ていきましたが、結局その日は何の収穫もありませんでした。

次の日もウェイはダイヤモンドを探しました。
そのまた次の日も探しました。
毎日毎日探しています。
それでもまだ一つも見つかりません。
それでもウェイは諦めませんでした。
必ずダイヤモンドはある筈です。
見つけて金持ちになるのです。
ウェイの頭の中にはダイヤモンドの事しかなくなりました。



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あきゅろす。
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