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小説という名の日記B(栞機能無し)
8

そうですか。態々伝言を有り難うございます。
タミルが無事に戻ってくるのを待っています。
友人の身を案じながら、二人がウェイに礼を述べました。

ですがそれで話を終わらす訳にはいきません。
就いては援助を断った詫びとして、タミルの家の管理をする事にした。

その言葉を聞いた時、思わず二人は目を丸くしました。
ウェイがタミルの家を管理するという。ウェイの家からタミルの家は、定期的に管理出来る距離ではありません。
つまりそれは、ウェイがタミルの家に住むという事です。
何の冗談なのだろう。信じられずウェイの顔を凝視しましたが、ウェイは至極真面目な顔をしています。
嘘を吐いているようにも、冗談を言っているようにも見えません。



再びウェイが口を開きます。
タミルの家を管理する間、其処に住もうと思う。
その間君達二人に我が家の管理を頼みたい。
その代わり我が家にある食料は好きにしてもらっていい。
畑も水も果樹も、全て必要な時に必要なだけ使うといい。
それとタミルの家を管理している間、時々食料を持ってきてくれないか。

ウェイの話を聞き終え、マトウとサライが顔を見合わせました。
援助を断った詫びだとウェイが言っていました。
二人がタミルへの援助の伝言を断った為、ウェイ自らタミルの元へ援助を申し出に行ったのでしょう。

今まで援助を申し出たのは、あの石塊が欲しかったからだと思っていました。
二人にはあの石塊の価値が分かりません。
幾ら綺麗でも石塊は石塊です。
態々自ら援助を申し出に行くほどのものには思えません。
という事は、もしかして二人の勘違いだったのでしょうか。
本当はあの時に好意で援助を申し出ていたのでしょうか。
だから断られても、自ら援助を申し出に行ったのでしょうか。
それならば二人はウェイに失礼な発言をしたことになります。



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