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小説という名の日記B(栞機能無し)
6

タミルへの口添えを断られたウェイは、自分で援助を告げに行く事にしました。
険しい山を悪態を吐きながら越えていきます。
何故こんな忌々しい山をきつい思いをして自分が越えなければならない。だがこれもダイヤモンドの為だ。
自分にそう言い聞かせながら山を越えました。

タミルの家に漸く着いた時には、余りにも腹立たしくなっていました。
辛い思いをして、態々援助の申し出に来てやったんだ。
何故自分がこんな思いをしなければならない。
感謝されて当然だ。
それは態度にも表れました。

ウェイが高圧的に言い渡します。
お前が困っていると聞いてやってきた。
ほら、食料を持ってきてやったぞ。
代わりにあの石塊を寄越せ。
いや、あの石塊が何処にあるのか言え。
その物言いは余りにも失礼でした。



タミルはそれを静かに聞いていました。
そして聞き終えた後、丁寧に返事をしました。
申し訳ありません。
僕の事は気を遣われませんようお願い致します。
幸いにも僕には誇れる二人の友がいます。
もう直ぐでこの辛い時期も終わりを迎えます。
それまでは友人の力に縋っていきたいと思っています。
申し訳ありませんがお断りさせてください。

きつい山を越えて辛い思いをしてまで来たというのに、タミルに断られました。
ウェイの頭に一気に血が昇ります。

まさか断られるとは思いませんでした。
それこそ態々来てやって援助を申し出ているのだから、感謝するのが当然だと思いました。
身の程を知らない何とも愚かな奴だと怒りが頂点に達しました。



あの石塊の在処を教えろ。
怒りの儘にウェイがタミルに詰め寄ります。
それは出来ません。貴方に教える義理はありません。
控え目ながらもタミルがきっぱりと言い切りました。

かっとなったウェイは手近にあった椅子を掴みました。
それを振り上げて何度も何度もタミルの頭を殴りつけます。
血が出てタミルが倒れても、それでも殴り続けます。
椅子が壊れても、その壊れた椅子の先で殴りました。
壊れた先は鋭い凶器のように尖っています。
それを突き刺して漸くウェイは動きを止めました。



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