小説という名の日記B(栞機能無し)
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良ければその石塊をくれないか。
駄目です、これは友人からの大切な贈り物です。
あげる訳にはいきません。
だったらその友人は誰なんだい。
どうやってそれを手に入れたのか教えてくれないか。
タミルに食料を分けてあげたら、お礼にこれをくれました。
これにはタミルの心が詰まっているのです。
ほうほう、タミルか。
タミルに食料を分けてあげたらそれを貰ったんだね。
はい、タミルの感謝の気持ちの籠もった宝物です。
申し訳ないのですがあげる訳にはいきません。
ウェイは即座に考えを巡らしました。
ダイヤモンドは大変価値のあるものです。
食料と引き換えにするくらい訳ないこと。
比べ物にならないくらい素晴らしく値の張るものなのです。
ウェイの猫なで声は続きます。
タミルに食料を援助しようじゃないか。
お礼はその石塊でいいからと。
タミルにそう伝えてくれないか。
サライとマトウは互いに顔を見合わせました。
ウェイは一度タミルへの援助を断っています。
何の得にもならないという理由で断っています。
それが石塊を見た途端に援助を申し出てきた。という事は、ウェイは石塊の為にタミルへの援助をしようとしているのでしょう。
この申し出の返事をしなければなりません。
互いの顔を見れば、二人は同じ気持ちのようでした。
お気持ちは有り難いのですが、タミルは僕達の友人です。
僕達で助け合っていきたいと思います。
申し訳ありませんがお断りさせてください。
二人は少しずつでもタミルと分け合っていくつもりでした。
協力していけば何とかこの時期を凌げるでしょう。
それまでの辛抱なのですから、二人はそれを苦にも思いませんでした。
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