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小説という名の日記B(栞機能無し)
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大きな川がありました。
船で渡らなければいけないほどの大きな川です。

その川の右側の地域に、ウェイとサライが住んでいました。
ウェイは肥沃な内陸部に、サライは川岸に、それぞれ家があります。
ウェイの家とサライの家は遠く離れていました。

そして川の左側の地域には、マトウとタミルが住んでいました。
マトウは川岸に、タミルは砂漠と化した内陸部に住んでいます。
マトウの家とタミルの家もまた遠く離れていました。
それだけでなくマトウの家からタミルの家に行く途中には、険しく高い山がありました。
冬になれば氷の壁が出来るほどです。
タミルは冬が来る度に、蓄えた食料で乗り越えていました。



ある年のある時期、サライは困った事になりました。
貧しくなり日々の食料にも困るようになりました。
この時期を凌げれば何とかなるとは思います。
ですがそれは確実ではありません。
どうしよう。考えた結果、サライはウェイに助けを求める事にしました。

ウェイの家を訪ねたサライが頼みます。
貧乏になってしまいました。どうか助けてください。

ウェイは考えました。
サライの家は川岸にあります。
川を渡るのに適しています。
雨が降ればサライの家で雨が止むのを待てばいいのです。
考えた結果、ウェイはサライに援助する事にしました。

サライは感謝しました。
有り難うございます。あなたは大変優しい方です。
食料を分けて貰って家へと戻りました。



それから少しして、川の向こう岸に住むマトウも困った事になりました。
サライと同じく貧しくなり、日々の食料にも困るようになりました。

マトウは船を漕ぎ川を渡り、サライの家を訪ねました。
マトウとサライは仲が良く、時々船を漕いで互いの家に遊びに行きます。
マトウはサライに相談しました。
そしてその時に、サライがウェイから援助してもらった事を知りました。

そこでマトウもウェイの家を訪ねる事にしました。
貧乏になりました。どうか助けてください。



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あきゅろす。
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