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小説という名の日記B(栞機能無し)
2

街を歩いただけなのに、どっと疲れが出た。
その時目にした公園。
公園で休んでいこう。
センは公園に入っていった。

「ぎゃはは、汚えな」

「こいつ、まだ生きてやがる」

「ほら見てみろよ、あれまだ動くぞ」

休もうと立ち寄った公園で、複数の少年少女が嘲笑っていた。
片目の潰れた猫を蹴っては、逃げようとする猫をまた蹴る。
猫はもうぼろぼろで足許も覚束無い。



センは集団へと近付いた。
センに気付いた集団が何かを言っている。

「何だてめぇ」

「何か文句でもあんのかよ」

何一つ集団の言葉が理解できなかったが、センは目の前に居た一人を何も言わず殴りつけた。

集団が熱り立った。
口々に何かを言いながらセンを取り囲む。
集団がセンへと襲い掛かろうとした時だった。

少年少女が次々に押さえ込まれていく。
地味で目立たないスーツを着た屈強な男達に、いとも容易く押さえつけられていった。



護衛は一人。そう約束していた筈だった。
だが実際は複数の護衛がついていた。

センは弱くない。
独裁者を討ち取ったのもセンだ。
助けを借りずともこれくらい訳なく倒せる。

猫は何時の間にか力尽き、息絶えていた。
センは猫を抱き抱え、木の陰に横たえた。
黙祷を捧げ冥福を祈る。

少年少女が連れ去られるのを余所に、再び歩き出した。



センは店に入った。
自国にある品物と何が違うのだろう。
何が売っているかも知らず入った店は、いろんな物を売っていた。
日用品や食品、書籍などが小さな店の中に所狭しと並べてあった。

物珍しくて品物をゆっくりと見て回った。
その時に、ある少年の動向が気になった。
陳列棚から商品を手に取りこっそりと鞄に隠している。

この国は品物の代価を払わなくていいのだろうか。
いや、金を払い品物を買う、それは何処の国とて同じこと。
この行為は窃盗という行為にあたるに違いない。

少年が何食わぬ顔で店を出て行く。
センはレジに行き、少年の後ろ姿を指差して店員に泥棒だと訴えた。



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