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小説という名の日記A(栞機能無し)
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到着した惑星で、その者達は生涯を終えます。
種族の惑星に戻ることも叶わず、その星で生き、残りの生をその星で終えます。

欠片の軌道は、欠片に乗らなければ分かりません。
なので同じ惑星に到着する者も居ます。
反対に一人で到着する者も居ます。

同じ惑星に到着した者達は、例え生まれた惑星でなくても、その星に仲間が居るのです。
同じ種族同士、助け合い、淋しさを埋め合い、故郷を偲び、彼らは生きていけるでしょう。



けれども一人で到着した種族は、その惑星でたった一人の種族となるのです。

仲間も居ません。
環境も違います。
未知なる惑星でたった一人です。

どんなに故郷を偲んでも故郷には戻れません。
どんなに淋しくてもたった一人、その惑星で生を終えなければなりません。



何故自分が生まれ育った惑星を追い出されなければならないのか。

それは種族の掟だから。
その惑星に存在する為には、種族のバランスを保たなければならないから。

だから選ばれる数は決まっています。
例え拒否したとしても、拒否した者の代わりに他の者が選ばれるだけです。



他の者が選ばれたら、尚更拒否した者はその星には残れません。

それは掟に背く者だから。
種族の法則を狂わす裏切り者だから。

拒否してその惑星に残っても、待っているのは今まで仲間だった者達からの果てしない責め苦です。



その種族は誇り高い。
仲間だった者からの責め苦より、他の惑星に行き適合する生命体に入り込み一生を終える方を選びます。

だから選ばれた者が拒否することは滅多にありません。

例え仲間が居なくても。
例えたった一人で生きていかねばならないのだとしても。
例えもう二度と種族の惑星に戻れないのだとしても。

種族の長に指名されたということは、その惑星でのその者の存在が許されなくなったということなのです。





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あきゅろす。
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