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小説という名の日記A(栞機能無し)
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仲良くなるに連れ、敏彦が圭史を名前で呼ぶようになった。
それを真似て将生も圭史と呼んでいる。

圭史は二人を名字で呼んでいたが、圭史を気に入った敏彦がそれを許さなかった。
「どうせならお前も呼んで貰え」と敏彦の積極的な介入により、今では将生の名前も呼んでくれる。



最近出来た敏彦の彼女は、愛弓と正反対のタイプだという。
そんな風にさらっと愛弓の話題を持ち出しても、圭史が気分を害することはない。

積極的に喋り掛けるタイプではないが、そこそこ話すようになった。



それに愛弓が不満を募らせてるのを知っている。
一緒に帰ったり休みの日に会ったりすると、必ずその話題が出てくる。
それでも圭史との付き合いを止めようとは思わない。

「俺の友達は俺が決めることであって、愛弓が決めることじゃないだろ?」

穏やかに話しても拗ねるばかりで解決しない。



「将生は私と友達とどっちが大事なの?」

「私のこと好きじゃないの?」

女の子特有のパターン。
愛弓以外にも何人か付き合ったことがあるが、いつもそう言われる。

告白され付き合い、別れはいつも向こうから。
「将生に好かれてる気がしない」らしい。
浮気もしないし、将生なりに大事にしてるつもりにも拘わらず、いつもそう別れを切り出される。



愛弓も例に漏れずそのタイプで、ついいつもと同じ反応をしてしまう。

「友達と愛弓を比較できない」

「愛弓が好きだよ」

けれども矢張り満足しない。

恋愛と友人ともう少ししたら受験に向けての勉強もある。
もしこの三つの中の一つを選べと本気で迫られたら、たぶん将生は尻込みする。

愛弓もそれを分かってるから、最後には話題を切り換える。





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