小説という名の日記A(栞機能無し)
3
「初めての手紙が暗い内容になること、先にお詫び申し上げます。
先日、両親が事故で亡くなりました。
両親は長男を亡くし悲嘆にくれていました。
なのでその悲しみを癒やしてもらう為、九州にある別荘に両親と暫く滞在していました。
ですが悲しみは更に増したのでしょう。
睡眠薬服用の上、父は車を運転、母も同乗。
その結果、崖下へ転落し命を落としました。
だけど慎治さんは絶対にお気になさらないでくださいね。
ただ事実を伝えたかっただけですので。
ところで慎治さんが罪を償ったその時に、お会いして頂ければ嬉しいです。
まだまだ先のこと、お会い出来る日を楽しみにしています」
『手紙、ありがとうございました。
ご両親のこと、お悔やみ申し上げます。
君から貰った手紙には「気にするな」とありましたが、ご両親が亡くなられたのは俺の犯した罪の所為ですよね?
なのに何故「気にするな」なのですか?
俺にご両親の訃報を知らせたということは、俺の犯した罪の重さを受け止めろ、との事だと思います。
罪を償い出られたその時は、その憤りを受けたいと思います』
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