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小説という名の日記A(栞機能無し)
27



一週間後の智行の休日。
仕事を終えた智行を、達朗が笑顔で出迎えてくれた。

午前中寝てから買い物に行こうと言われ、作ってあった朝食を食べ部屋のベッドに入る。
達朗はリビングで何かしていて、部屋には入ってこない。
智行がゆっくりと寝れるようにとの配慮だった。

そのお陰か落ち着く部屋で直ぐに眠気が訪れ、起きた時は午後の二時を回っていた。



昼間滅多に出歩く事のないからか、偶に出歩けば外の世界を新鮮に感じる。
だがそれに違和感を感じる部分もある。

今まで新鮮だと思っていただろうか。
昼間どうしても出掛けなければいけなかった時、面倒臭いと思っていなかっただろうか。

軽い違和感は頭を振って直ぐにどこかへ追いやった。



雑貨店で達朗が手にしたホワイトボード。

「メモよりこっちがいいでしょ」

何に使うんだと問えば、そう言って達朗が顔を覗き込んできた。

毎日食事と共に置いてあるメモの代わり。
これからはホワイトボードに毎日書いていくから、と楽しげに語る。



「この前買っとけばよかったんだけどね。まさかこんなに時間が合わないとは思ってなかったから」

金は全部達朗が払う。
買おうと買うまいと智行には関係ないこと。

「好きにすればいいよ」

それでも笑顔を浮かべると、了解を得たとばかりに達朗がレジに向かった。



他にもいろいろと必要な物を買い揃えた。
智行の歯ブラシ、智行のコップ、智行の服。
全部智行の物で、支払いは全部達朗。

「僕が買ってあげたいだけだから」

心からの言葉のように微笑まれれば、流石に何も言わないのも居心地が悪い。

「ありがとう」

余所見しながら呟いた言葉が達朗の耳に届いて、また達朗は柔らかな笑みを浮かべた。





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あきゅろす。
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