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小説という名の日記A(栞機能無し)
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征汰の給料でやっていけないのを承知で、それでも征汰の一人暮らしを叶えたという。
征汰一人でも貯金が減っていってるのに、隼の食費まで嵩み更に貯金が減っていっている。

「年金が貰えなくても生活保護の申請をするつもりですが、其処で問題となるのは古川君、あなたなんですよね。あなたは働けるのに働いていない。私の言いたい事、分かって頂けますよね?生活保護がおりなければ牧本君の一人暮らしの道は閉ざされます。また寮に戻りお金を貯めて、別の道を探さなければなりません」

要は隼が征汰の一人暮らしの邪魔になるのだと、詰まり井手はそう言っていた。



たぶん隼が無職なだけでなく、家事を手伝わない事も、上手く征汰から聞き出しているのだろう。

征汰は自分が隼の面倒を見るのだと心に決めている。
だから井手の本心に気付かず、誘導されるまま他意なく語ったに違いない。

「とにかく牧本君の事を考えて頂けませんか」

井手は丁寧にそう締め括り、帰って行った。



テレビを見る気にもゲームをする気にもなれなかった。
ぼんやりとただ時間だけが過ぎていく。

時計を見れば三時が回っていた。
もう少しすれば征汰が戻ってくる。
それまでの時間を、何もせず過ごした。



漸く仕事を終えた征汰が戻ってきた。

「ただいま」

飛びつくように駆け寄る征汰を抱き締めて、隼は「おかえり」とその背中を軽く叩く。



「征汰・・・」

「何?」

自分でも何が言いたいか分からない。
何も言わない隼の顔を、征汰が不思議そうに覗き込んでくる。

「隼、何?」

「・・・仕事、お疲れ様」

「うん!隼、大好き」

結局言葉は見つからなかった。
けれどそんな隼のささやかな労いの言葉を、征汰は喜んで受け取ってくれた。

















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あきゅろす。
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