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小説という名の日記A(栞機能無し)
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「でも・・・」

「お前と俺は知り合う以前の関係だ」

それでも縋ろうとするあいつを、その一言で切り捨てる。

優香を苦しめるだけじゃない。
お前だって苦しむ。
優香に対する罪悪感と、お前の母親に対する罪悪感で苦しむ事になる。

お前のそれは一時的な気の迷い。
親友が居なくなった寂しさから来た一時的な気の迷い。



「大地、こんなとこに居たんだぁ。優香、探しちゃったよ」

突然割り込んできた声。
見事なまでに貼り付けた笑顔。

驚いたあいつが俺の手を離す。
その隙に俺はあいつから距離をとった。



「こんなとこで何してんの?」

俺の存在を優香が無視している。
白々しいほどに大地だけに笑顔を向けて話し掛ける。

「何って・・・」

「あっ、そうだ。今度の日曜、大地ん家に遊びに行っていい?優香、久しぶりにお母さんとお話したいから遊びに行くね」

あいつにさえ喋る隙を与えようとしない。



明日提出のプリント。
今日はもう諦めた方がいいかもしれない。
明日の朝早く来て取り掛かろう。

俺は二人に背を向ける。

「あっ、尚人。待って」

「大地、優香と一緒に帰ろう」



後ろの二人の状況なんて俺には見えない。
俺を追い掛けようとするあいつを、優香が引き留めてでも居るんだろう。

早めに寝て明日早起きしなければ。
だったら帰ったら直ぐ風呂に入らなきゃな。
運のいいことに、今日は見たいテレビもない。

記憶から振り払う為に、これからの事を考える。

もう二度と忘れ物を取りに戻らないようにしよう。
俺は急ぎ足で家へと帰った。


















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あきゅろす。
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