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小説という名の日記A(栞機能無し)
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航希の父親は性目的の為に、ある女を強姦し別荘に監禁していた。
女はトイレと風呂に届く範囲で、鎖に繋がれ放置されていた。
月に一度、女を嬲っては、男はパンや飲み物を大量に置いて帰った。
最初のレイプで身籠もった女は、精神的にも追い詰められていく。
大きくなっていく腹を見ても、男は構わず放っておいた。

父親には他にも愛人が居た。
愛人と共に別荘を訪れた父親が見たのは、出産を終えたばかりの女。
散乱した紙の中心で、女は文字を書いていた。
散らばった紙のどれもこれもに、「航希」と名が書かれてあった。

産まれたばかりの赤ん坊と散らばった紙切れ。
気持ちが悪いと父親が顔を顰め、鎖を外し女を外へ放り出した。
捨てられた女は、その後山へ歩いていく。
そして着ていた服を脱いで、それをロープ代わりに首を括って死んだ。



産まれたばかりの赤ん坊を見て、愛人は興味本位に育ててみたくなった。
理想通りの子供を完成させてみたくなった。
それから愛人は別荘で子供の面倒を見るようになる。
愛人は子育てという遊びに夢中になった。

出生届の出されなかった子供を、愛人は自分の思うが儘に教育した。
愛人と父親への絶対服従。
子供の幼さを、愛人は我が儘として厳しく躾た。
子供に我が儘は許されなかった。

理想に近付ける為に、愛人は子供に教養を身に付けさせた。
まだ物心もついてない幼い頃から、参考書を与え勉強を強制する。
掃除や洗濯等の家事も一通り覚えさせた。

だが愛人は次第に遊びに飽きていった。
刺激のある街が恋しくなった。
それを父親に訴える。

父親は愛人に激怒した。
何故産まれたばかりの時に放っておかなかった?
何故こんなに大きくなるまで育てた?
今更何処に捨てろと言うんだ。
父親と愛人は口論となり、愛人はそれに腹を立てて別荘から出て行った。





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あきゅろす。
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