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小説という名の日記A(栞機能無し)
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佑基の兄は体が弱かった。
両親は兄を溺愛していた。
兄が弱っていく事に堪えられなかった。
今まで生きてこられただけでも奇跡の肉体だった。

そんな兄の体が、もう直ぐ健康な肉体となる。
家族一緒に暮らせるようになる。
兄の肉体が健康を取り戻すまであと一ヶ月となった時、両親が佑基にキャッシュカードを渡して言った。

これであなただけの思い出を作ってきなさい。
その間、連絡だけは忘れないで。
あなたのお兄ちゃんの為にも体には気を付けて。

佑基はその一ヶ月で、佑基だけの思い出を作ろうと決めた。



佑基には忘れられない人が居た。

道に迷っていた佑基に声を掛けてくれた人。
親切に道を教えてくれた人。
佑基はその人に一目惚れをした。
たった一度出会ったその人が、今でも忘れられなかった。

だから隣の校区で出会ったその人を、佑基は調べた。

白井彰久。高校二年。
佑基より二つ年上。
兄と同い年。
現在恋人は居ない。
友人は男女共に多い。

出会った時に着ていた制服を頼りに、これが三週間で調べ上げた彼の情報だった。



明日、佑基は彼に交際を申し込む。
















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