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はじまりのはじまり


「なまえちゃんにお客様よ!帰らさせるのはなんだったからなまえちゃんのお部屋にお通ししたよ。」


帰ってくると管理室からおばあちゃんが優しくそう言った。まてまてい!!、おばあちゃん勝手に私の部屋にいれちゃったの!?内心パニックだったが表情をつくり「ありがとう。」とお礼を言った。


おばあちゃんにはお世話になってるから文句なんか言えないんだなぁ。それに天然だし。てかお客様って??誰だろう?




現在私は知り合いのおばあちゃんが運営するホテルの1室を私の家として住まわせてもらっている。。


私は1年前、両親をなくした。その時はまだ学生だったので勉強もしながら仕事。あまりお金も稼げなくて困っている所を事情を知ったおばあちゃんに助けてもらった。かな‐りありがたい!


まぁそんなこんなで(どんなこんなだ)私はお世話になっている身。騒がしくならないよう、友達もあまり呼ばないし、それ依然に前住んでた所からはかなりの離れているから友達が突然連絡もなしに来るってのは難しい。一体誰なんだろ?





自然と足が早くなり気がついたら自分の部屋のドアの前。すぐ開けたいけど、誰だか分からないので少々勇気がいる。


おばあちゃんに男か女かぐらい聞いとけばよかったな。


小さく後悔。いかんいかん待たせてるんだから早くドアを開けなきゃ!



私はそっとドアノブに手をかけゆっくり扉を引いた。



扉を開けた世界はいつもの自分の部屋とソファーに一人座りおばあちゃんが出したのかお茶を飲む40代位の男性の姿。



誰だろ?

その人は私がここ最近会ってるような人じゃなかった。むむむ…誰だっけ?




その人は私が入ってきたと気づくとみるみる顔を明るくし口を開いた。



「なまえ!!元気だった!?」



ソファーから立ち「あっなまえも座りなよ。」と向かい側のソファーを指差す。相変わらず顔はニコニコしている。どこかおじさんなのに可愛い笑顔は見覚えがあった。


えっとえっと…もうちょっとで思い出しそうなんだけど駄目だ思い出せない。記憶力ないな、私。




「いやぁすっかり大きくなったね!最後に会ったのは10年以上も前になるのかな?」



「えっ、あっはい。」



「若い頃の姉さんによく似てる。そういえばなまえは小さい頃から姉さんに似て可愛かったけな。」


「…姉さん?」



「?何言ってるんだ?君のお母さんの事だよ。」


その人は驚いたように私を見る。



え‐と
姉さん=お母さん 見覚えのある優しい顔……。
えーと、えーと…あっ!!思い出した!!!


私が小さい頃いつも遊んでくれて大好きだった人!












「あなたはおじさんのなまえおじさんだっ!!」



「えっ何!?いままで僕か分かんないまま話聞いてたの?」



「うん!でも今分かってものすごい嬉しい!」



「あーだから会った時もテンション上がってなかったんだ。僕だけめちゃくちゃ上がってなんか恥ずかしいかった。」



「ごめんなさい。だって、見ただけじゃおじさんだなんて全然気がつかなかったから!」




おじさんのなまえおじさん。おじさんのみょうじ おじさんのなまえ三木おじさんは、お母さんの弟さん。

昔遊んでくれた事を良く覚えてる。確か、10年前に海外に行っちゃってそれっきりだった気がする。


てかおじさん少しあの頃より痩せてシュッとしたし。これじゃなかなか気がつかないよ!






「いつこっちに帰ってきたんですか?」



「えっと…2週間前かな?本当つい最近なんだけどね。」



「そうなんですか!で今日は何で会いに来てくれたんですか?」



そう言うとおじさんの顔は一瞬にして真面目になった。私もその顔をみて少し緊張する。



「いやぁあの…今日はなまえに提案があって来たんだけどね。」



「は…はい。」



「君は今両親がいないだろ?僕もこっちに戻ってきて初めてその姉さん達がいなくなってしまった事を知ったんだ。だから早くなまえの元にいけなくてすまない。」



頭をゆっくり下げるおじさん。



「いやいや!おじさんは何も悪くないですって!顔を上げてください!」

「いや本当、なまえには申し訳ない事をしてしまった。だからと言ってという訳じゃないんだか…。」



頭を上げると真剣なおじさんの目と私の目があう。



「私の家に住まないか?」










はじまりはじまり




ここから私はあの人達と出会う事になる。




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