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片方だけの何か





『綱吉君』


冷たかった風も徐々に暖かくなってきた日の午後。ウチに突然例のパイナップルが押しかけてきた。…と思ったら。


『ピアス,僕とおそろいで付けませんか?』


…驚くべき事を言い出した。






『ちょ,待て骸。前後が全く読めない。何だって?』

『だから,僕とおそろいでピアスをつけm『はぁ?寝言は寝て―…じゃなかった,死んでから言えよ』


いきなり窓から入ってきて,突然そんなことを抜かす目の前の男。
…お前とおそろいだって?冗談はそのパイナップルだけにしてくれ。


『死んでから―…は流石に酷くないですか。しかも言い直しましたよね? …まぁ,貴方の手で殺されるなら本望ですがn『頼むからもういっぺん輪廻巡って来てくれ』


…あぁ,ドMにも程がある。コイツといたら嫌でも俺がツッコミ役になる。クロームとか よくこんな奴と一緒にあられるなぁ。


『クロームは僕の大切な女性ですかr『へぇ,じゃあ俺はいらないよね。うんそーだよね』…綱吉君!!』

『ハイ サヨーナラ。とっとと消え失せろ。二度と俺の前に現れるな』


そう言うと,うるっと涙目になる骸。そんなことしても可愛くない―…ってうげ,抱き付いてきやがった。


『君はクロームとは違う意味で大切なんです!!世界でたった1人の!愛しい!最愛の恋人なんです!!』

『あーもー解ったから。黙れ』


うっわ,耳元で騒ぐな!!頼むからこっちの身にもなってくれ!
もう本当に殺してやろうか,そう思って机の死ぬ気丸とグローブに手をかけた瞬間,骸が再び…否,更に騒ぎ出した。


『本当なんですから!!信じて下さいよ綱吉君!!』

『…うるさい。てかうざい。何,お前俺の鼓膜破る気?』

『いや…っそーゆー訳じゃないですよ!!あーもう!!綱吉君が聞いてくれないのが悪いんですって!』

『いや,お前がウザいのが原因だから。…んで?何だったっけ?』


今までギャーギャー騒いでた骸が,急にピタッと静かになった。…感情の起伏の激しい奴だな。そんな事を思って見れば,目を輝かせている。


『ピアスをおそろいでつけようって話ですよ!!』

『ハァ?お前何言ってんの?いっぺん殺してやろうk『これじゃまた同じ事の繰り返しじゃないですか!!』…確かに』


でもお前が馬鹿な事言い出したのが悪いんだ。
さらっと骸のせいにしつつ(だって俺悪くないし),ふと感じた疑問を投げかける。


『てゆーかさ,なんでピアスな訳?俺穴ないんだけど』


すると次の瞬間,骸の目がキラリンと効果音が付きそうな程光った!!(あ,嫌な予感)


『よくぞ聞いてくれましたね綱吉君!!このワンセットのハートのピアスを片方ずつ付ける事で,僕らの大きな愛もまた更に大きくなるんじゃないかと思ってですね―…って,ちょ,えぇえええ!?何するんですか綱吉君!?』

『何すんだじゃねぇよ。黙れ。南国果物の分際で俺にたてつくな』


俺は,会話の途中で骸が出したピアス(ハート)を窓から天高く放り投げた(ついでに怒りのセリフもぶつけてやった)(もちろん笑って)。


『どうしてくれるんですか!?僕らの愛の証を!!』

『…お前に愛情抱いた事なんてねぇよ』


全く。勘違いも腹立たしい。…というか,いい加減うざい。やめてくれないものか。


『しょうがないですね…じゃあこのデザインでどうですか!?』


内心まだ持っていたのかよ,と思いつつ差し出されたものを受け取る…と。


『…ドクロ?』

『そうです!!これならいいでしょう?』


俺の手の中にあったのは小さくも大きくもない,所謂調度良いサイズのドクロのピアス。…まぁ,センスはいいと思う。


『てゆーか俺,穴開いてないって言ってるじゃん』

『もちろんピアッサー持参です!!』

『…お前人の体に勝手に穴開けんのか』


クフン,と笑う骸にドクロのピアスを投げ渡す。するとソイツはかなり驚いた顔をした。


『なんでですか!?ドクロ嫌いですか!?』

『…いや,だから俺穴開けてないし。隼人とおそろいでつけとけよ』


軽く言って笑うと,傷付いた表情をする骸。…ヤバい。やりすぎたか。
流石に謝ろうか迷っていると,骸が再び(…あ,違った。ずっとだ)騒ぎ出した。


『君じゃないと意味ないんですよ!!あ,やっぱハートでしたか!?ハート探して…というか買って来ます!!綱吉君!一緒に選びに行きましょう!!』

『もう本当死ねばいいのにお前』


…前言撤回。コイツはただの変態だった。



――――――

…オチがないっすねコレ(殴
これでも一応100hitキリリクなんで…こんなんで良ければ受け取ってくれ柘榴!!
そして嫌ならば容赦なく突き返してくれ!!





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