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レッツハッピーウェディング!


この国に敷かれた法律に合わせたら、私達は紙面に誓う約束は出来ない。
だから、ただ言葉で確かめ合いたいの。それだけで、今は十分なんだよ。
ねぇ、絶対に破ったりしないって約束だよ。
この小指と薬指に掛けた、ふたりだけの誓い。













絶対に負けられなかった。前からずっと考えていたことを漸く、実行出来る、今日だけは。
何時だって、勝負には勝ちたいし、部活は楽しんでいるけれど。それでも、この部活だけは私にとって特別なの。

裏の裏を読んで、相手を牽制する。それから行動の制限されている間に一歩でも前へ。
勿論、予めトラップの出現エリアは押えてある。負けられない戦いなんだから、前もって準備して置くのは当たり前。
こんなに用意周到な事は滅多にないんだよ。初めてかも、しれない。幾らかぁいいものが絡んだって、此所まで本気にならない。
沙都子ちゃんの手の込んだ罠も、頭の切れる圭一くんの追撃も、油断ならない梨花ちゃんにだって、負けるものか。

今日の優勝者に進呈されるのはウェディングドレス姿の魅ぃちゃんなんだから。
こうなったのも全部、私が仕掛けた事。圭一くんと魅ぃちゃんがふたりだけで麻雀の勝負をした時、負けた魅ぃちゃんが着ていたのが、純白のドレス。一体何処から持って来たのか何て、そんな事どうだって良い。
教室に入って直ぐ、目を奪われた。こんなに綺麗な姿で、彼女はお嫁に行って終うんだって思ったら、胸の奥がきゅうって痛くなる。
横に居た圭一くんのだらしない顔に腹が立つ。こんな男に、譲れるものか。ずっと一緒だったんだから。

提案者は私。ウェディングドレスの魅ぃちゃんはかぁいかったよ、何てひとことで、梨花ちゃんと沙都子ちゃんの目がギラリと怪しく光る。もう景品は決まったようなもの。部長が景品、何て却下!って叫んだ彼女の声は誰も聴いて居なかったし受け入れられなかった。
疑似でも、ごっこでも良い。今は、子供の遊びだって構わないから、大好きな魅ぃちゃんと永遠の約束がしたかった。

このまま突っ切れば、レナの優勝は確実。自然と頬が緩むのが解る。それがいけなかった。
最後の最後。ゴール直前で私は注意を怠った。
見えない角度でやって来る刺客は私達の幸せを阻むのだ。


「レナぁー!負けたら、提案者のレナもウェディングドレスだからね!」


その言葉にはっと我に帰る。目前まで迫った殺意。ギリギリの所で身体を捻って、ライバルの攻撃を避けた。危機一髪。
彼女の声がなかったら、危なかった。


「くっそー!まさかレナに負けるとはな」
「こんなにレナが生き生きとしているの、初めて見ましたのですよ」
「わたくしのトラップが全部見破られてしまう何て、前代未聞ですわ!」


悔しそうに地団駄踏んだって決着はもう着いてるんだからね。正真正銘レナの勝ち。


「はぅ〜、やっと、此所まで来れたよ、魅ぃちゃん」


あんな風に私を呼んでくれたのに、恥ずかしいのかウェディングドレスに着替えた魅ぃちゃんは頬赤らめて更にもじもじしてて、とっても可愛いの。このまま、連れ去ってふたりだけの世界に閉じ込めて終えれたら良いのに。


「レナがあんな変な事言うから…お陰でおじさん、景品に成り下がっちゃったじゃないさー」
「おじさん、じゃないでしょ、魅ぃちゃん」
「だ、だって、恥ずかしいんだって、この格好…これならエンジェルモートの制服とかスク水の方がマシだよ…」
「魅ぃちゃんは、そんなにレナと結婚式、いやかな、かな」
「や、じゃないけどさ…、うう、あんまり見なくていいからね、ほんと」


魅ぃちゃんの為だけに突っ走って来たのは、その為なんだよ。
ふたりの愛を誓う約束の為に。


「レナはね、ウェディングドレス姿の魅ぃちゃんと永遠の誓いをやりたいなって思ってたんだよ」
「それって結婚式の、あれ?」
「うん。女の子同士は結婚、出来ないから、今、此所で誓うの」


だから、この手を取って欲しいな。
大好きな魅ぃちゃんを、この大好きな雛見沢でずっとずっと大切にするって誓うから。
そうして、残りの部員達に見せ付けるように誓いのキスをして、愛する事を誓いましょう。

照れて顔を隠そうとする魅ぃちゃんの頬を両手で挟んで、目を合わせた。
掌に伝わって来る熱が、あたたかい。

言ノ葉を紡いで、未来を誓おう。どうか、このままずっと、ふたり、一緒に居られますようにと。









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22420.村棋沙仁

無茶なタイトルですみません(笑)

リクエスト有り難うございました!
甘いレナ魅になってますでしょうか…?
少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。








あきゅろす。
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