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auf Wiedersehen

圭一君は、狡い。
こんなに近くに居て、長い間ずっと傍で見てた私と違って、直ぐに此所の空気に溶け込んで、それから。

魅ぃちゃんの、ハートをかっ攫った。
でもね、許せない何て思う程、心は狭く出来てないよ。

ゆるせないんじゃないの。
煩わしいだけ。

ああ、何て、目障り。
彼が居なければ、魅ぃちゃんの瞳はあんな風に揺らいだりしないのに。
たまに弱い面もあるけれど、泣いたりなんかしなかったのに。

ねぇ、どうしたら、いいのかな。

にくしみを口にして鉈を振り下ろしたら、その顔はぐちゃぐちゃになって魅ぃちゃんはきっと泣いて終うし、だからと言って現状を保ち続けるのはとても苦しいの。
そういう時の解決方法をあなたは知ってる?

あなたが世界を見定めるものだと言うなら、答えてみなさい。
私は黙って、耳を澄して聞いているから。

そんなものはないって答えでも良いよ。
もしも、答えがないのなら、自分で作れば良いんだもんね。


「あのね、魅ぃちゃん、」


穏やかな世界が一瞬にして崩壊する方法を知っている。
私は何度も見て来たんだ。
同時に、この想いを消す手段も、覚えて、いる。


この方法を試したら、魅ぃちゃんは笑ってくれるかな。

ねぇ、今度はきっと、レナだけに見せてね。約束だよ。


そうして私は鉈を振り上げる。

穢れた私の世界よ、再びふりだしにモドレ。







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211120.村棋沙仁

拍手に置こうとして止めました。
何故甘くならないんだ…。
今度は体育とか罰ゲームの話にします。もうひとつ書いてる話はきっと甘い筈。






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