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重ねた懺悔の果てに.

後悔を重ねている。
彼の魂は、誰の手に因って目の前から消えて終ったか。









溜め息を吐いた所でどうにもならないのに、ひとりになると考えて、仕舞う。
あの日、この手が、口が、罪のないディルクの手を引いた刹那を鮮明に。

あの瞬間がなければ、彼は今も、此処で仲間達と笑っていたに違いない。
思えば思う程に騙され続けていた自身に腹が立って悔しかった。
どうすれば、この罪が癒えるのか、彼女には解らない。

一なる王を倒す事は重大な目的だけれど。命を懸けて戦った所で、団長達の兄貴分は還っては来ないのだ。
その事実をひどくかなしい、と思った。
この手は、罪から逃れられはしないだろう。
彼は、消えて終ったのだから。


「あんたは、ディルクを勧誘したかもしれねぇ。けどよ、その瞬間があったからこそ、ディルクはオレ達を、この場所を守ってくれたんじゃねぇか」


泣いて仕舞いそうな背中をばしんと叩いて、気に病むな、ひとりで全部背負うなと、彼は言うのだ。
最初は敵対していた者を真直ぐに見据えて。
彼の力は、果てしなく、此処に居る全ての者に確かな希望を与える。

やってみなければ、解らない。そうだ、何事も。

こうして真実に気付いた、この場所で与えられた使命を真っ当するべく、彼女は立ち上がった。
果てなき道程の書には未だ、成すべき事があるのだ。


「…そう、ね。立ち止まって居ては前には進めないもの」


踏み出さなければ。悪を破る事も、ましてや苦しみから逃れる事も、出来ない。
彼を信じて、今、勇気を持って一歩確実に。

重苦しく潰されそうだった鋼のようなものが、どんどんココロから離れてゆく。あたたかい手と、希望が此所には在るから。

この手を伸ばすのなら、彼等の為で在りたいと、彼女は強く思った。

ディルクの為にも、彼の為にも、この書と身は全てを尽くそう。共に、世界に生きてゆく、そうだ、未だ見えない明日の為に。












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211111.村棋沙仁

実はまだクリアしてないんです(^_^;)
ディアドラさんが大好きです!







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